坂本という男。 ページ12
その日、土佐から味方の船が来るという話があった。
坂本辰馬という男らしい
「あれが桂浜の龍か」
「桂浜じゃない桂だ」
「お前じゃねェよ」
波止場付近で高杉とヅラと船を待っていた
短くなって肩の上くらいになった髪の毛に、攘夷の証のそれを巻き、クリーム色の上服に下に淡い水色の袴を履き、胸にさらしを巻き、黒の防具をつける
おお、女子力よ。どこへと今のかぶき町ガールたちは私にいうだろうが、仕方がなかった
「戦場見て動揺しねぇツラとは」
「ツラじゃない桂だ」
「お前じゃねェよ」
確かに船の先頭に立ち動揺ひとつしていない顔は戦に震えていない
「土佐の名高い」
「ボンボン?坂本辰馬って」
「まぁ、そういうことだな」
高杉と船を見つめながら会話をする
「あ?ボンボン?俺ァボンボンとは気が合わねぇんだよ、ボンボンはどっかの総督の長男だけでいいんだよ、長男っつーか短男だけど。
お前らあれだろ?ミニ四駆のコース段ボールで作ったことねぇんだろ?お前らがな人生というコースを順調に走れてんのはパパのお陰だから」
「あ?俺はそんなんじゃねぇよ」
「え?高杉くんって自分のこと金持ちと思ってんの?」
と、こんな感じで喧嘩が始まったので後ろで二人を見るヅラのとなりに行く
「……ヅラは船酔いするタイプ?」
「俺は船酔いしないぞ」
話す内容もなく、となりにいるのは他者に茶化される理由となりそうなため、話題を作る
「……なにしてんのかな?」
「近寄らん方がいいぞ、絶対」
「あ?高杉くんなめてんのか?こら?身長低いのに高杉っつー名前おかしくて笑ってんのか?」
「高杉くんじゃねぇよ。なめてんのはてめぇだ銀時」
「こう見えても高杉くんタモさんの三倍友達すくねぇんだぞ?」
「身長じゃねぇのかよ」
と、話している彼らに坂本という男は吐瀉物をぶちまけた
二人の声がそこに響いた。
「……変な人」
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作者名:枕崎 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/makuraz/
作成日時:2017年9月6日 6時