６０ ページ10
.
美人と聞いて一番に最初に浮かんだのはやはりオスマン様。ハイレベルな教養・知識・洗練さを持ち合わせてらっしゃる彼が会長代理から声をかけられないはずもなく、ロボロさんはもちろんと大きく頷いたあと、でもなぁと苦笑した。
「会長に当選するのは恐らくグルッペンや。そうなると代理とオスマンが副会長の座をかけて争うわけやん？もしさっきみたいにわざわざオスマンとこ行って同じこと言ってみ？」
「はっ！とんでもないですね…！俺の下で働かせてやるなんてとてもとてもオスマン様には…！」
「せやろ？しかもあの会長代理な、初等部のときからあの2人をそばに置いときたくてしゃあないんよ。でも会長も副会長もずっとグルッペンとオスマンが選出されてしまってて叶わず。多分これが最後のチャンスやろな」
「はぁ〜…」
さすがマンモス校。生徒たちにも色んな思惑があるんだ。
世界的に見ても大きい学校だから色んな人がいるんだなぁー…うんうん。
そんなことを考えながら夕食後の食器を洗っているわけだけど、初等部から10年以上会長と副会長を目指して儚く散った生徒は他にもたくさんいるはずで、でもそれはきっとグルッペン様とオスマン様が総なめしてるから。誇らしさと同情、なんとも複雑な気持ち…
「えらいロボロと仲良さそうやったな」
「ぬぁ！？」
ビックリしてお皿が落ちそうになった。いつの間にか聞こえなくなったテレビの代わりにゼロ距離で届いたトントンの声。泡で滑る皿を掴みホッと安心したのも束の間、お腹に回った腕に抱き締められ頭頂部にトントンの顎が乗った。
「せんぱーい。ロボロと2人で顔つきあわせてなに話してたんですかぁー？」
「いっ！痛い！揺れてる！ゴリゴリしてる！頭ゴリゴリしてる！」
顎だけゴリゴリ動かされる振動が直に脳天に響いてなんの拷問かと。たまらず昼にあった出来事を叫べば顎ゴリしていたトントンがピタリ止まった。
「は？絶対Aのこと目えつけたやんアイツ。ころそ」
かと思えばスイっと顎を持ち上げられ逆さまに映ったトントンが不機嫌にぼやくのをすぐに否定。
「や、そんなこと、なかったよ。私、１回も目あってない、しっ」
「は？」
首が反って喋りにくいけど、代理は私に興味がなかったと伝えるとなぜだかトントンはさらに不機嫌になった。
「…それ分かるほど会長代理んこと見てたん？」
「え、そっちの解釈！？」
ちょっと待って欲しい。安心させようとしたのに藪蛇とは。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 519人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
輪廻(プロフ) - うわぁめちゃくちゃ面白いです！！！！ (2021年10月30日 2時) (
レス) @page23 id: dceee3a757 (このIDを非表示/違反報告)
あまぎ(プロフ) - ひなひなさん» あぁぁぁありがとうございますー！！！話数が急に若返りましたね…すいません助かります。しかも褒めて頂いている…！願ったり叶ったりみたいな気持ちです！また何か訂正箇所があったら教えてください！ (2021年4月23日 20時) (レス) id: 975a9486c5 (このIDを非表示/違反報告)
ひなひな(プロフ) - 64話が14話になってますよ(ﾎﾞｿｯ)とても面白いです！凄く面白いです！物凄く面白いでs(( (2021年4月23日 18時) (レス) id: a43ccc94fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あまぎ | 作成日時：2021年1月30日 17時
