【d!】幼馴染は紳士の皮を被ったなんぞや？(ﾄ/n)

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「そんじゃもうちょっと情報集めてきますわ」


まだ闇オークションの全貌が掴めていないと、地図を見ながら意見を交わしていたトントンとウツさんはこのまま調査続行で一致したらしい。本人たちは踏み込む気満々のようだけどどう考えても学校や警察に掛け合った方がいいと思うんだ。そう言うと、2人に微妙な反応をされた。


「いやぁー無理やね。無理無理。普通はそうするんやろな。でもな、この学校は普通やないの」

「普通じゃないっていうのはどういう意味で、ですか？」


ウツさんが肩をすくめて首を振った。確かに通う生徒は色んな意味でパワーのある人たちが多いけど、だからこそ学校は普通以上に気を使うはずでは。


「まぁ簡単に言うと権力と金が集まる場所は腐敗しやすいやろ？この学校も問題が起こっても見て見ぬふりする"事なかれ主義"がすっごくてな。ほんまクソ」

「生徒の自治性を重んじてるとか言いよるけど喧しいわって！ブランドを傷付けたくないだけやろってな、ホンマ。だからなAちゃん。学校は全然アテにならんから自分たちでどうにかするしかないんよ」


真摯と語る2人の表情にこれまでの苦労が垣間見える。
嘘を言っているとも思えず、もし中学時代から同様の活動をしてきたのだとしたら、彼らの生徒会や各委員会の影響力と能力は並外れ、こうして学校の見取り図を簡単に入手できたこともまぁ頷ける。
資産家や権力者の子供たちが通い、あらゆるパワーが寄り集まった結果ダメな方向に爆進、それで皮肉にも学校の主張通り生徒の自治性が爆上がりする要因になっているのがなんとも…。ため息が出る。


「トントンとウツさん、ひとらんさんたちがいてくれて良かったです」

「A…」


顔にかかった髪を払われ、優しく手を重ねてきたトントンに笑顔を返した瞬間、ものすごいのしかかられた。隣にいるトントンの手が腰と、もう片手が私の腿を通り越してソファについているといえばかなりの密着具合だと理解していただけると思う。


「大丈夫や、安心せぇ。お前の悩みは全部俺が払い除けたる。だからそんな無理やり笑顔つくらんといて」

「トン、トン…！近い…！」

「んんっ！んんﾞっ！」


その距離わずか数センチ。トントンの手が滑ったら、私が少しでも顔をあげればいくらでも間違いを犯せる距離に一気に持っていかれたとき、ウツさんがわざとらしく咳払いした。





「……なんや大先生まだおったんか」

「ヒドイ！！！」


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