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横からスッと伸びた手が、食堂見取り図のある一点を指差した。
揺るぎない確信を持った言葉に驚いたのは私だけじゃない。質問したひとらんさんまで固まっている。
「…まさかトントン、覚えてるの？」
「覚えてるよ。2週間ぐらい前まで覚えてるんとちゃうかな？」
驚愕の記憶力。特にお昼なんてバイキングなのにそんな些細な盛り付けを2週間も覚えていられる人間がまさかこんな近くにいようとは。私なんて3日前も覚えてないよ。
「でも俺がなに喰ったかまでは覚えてないよ。Aのしか覚えてへん」
「私だけ！？」
「俺のなに食ったかなんていちいち覚えてへんよ」
私のお昼ご飯も大概いらない記憶だと思うけど、今回その記憶に助けられたので否定もできない。
「侮ってたなぁ」
ひとらんさんはトントンの受け答えに苦笑いしながら、お前が答えられんならわざわざAさんに来てもらう必要はなかったな、と腰に手を当てた。
「じゃあそれで食堂の監視カメラを確認してもらうからさ。調査結果は守秘させてもらうかもしれないけど、また色々聞かせてくれ」
「はい。よろしくお願いします」
「あー、あともし怪しい奴がいたりおかしなことがあったらなんでも言ってくれ」
ドアを閉める直前、頼りになる一言と共にひとらんさんが小さく手を振ってくれた。
「こういう時なぁ、ずっとそばにおれたら全部の写真に写り込んでやれんのになぁ」
ため息をついたトントンがリビングの机に置いた防犯ブザーが1つ・2つ・3つ。
「Aかわええからこうなるとは思っとったんよ。でも思った以上に早くて、アイツらいらんとこ目敏いねんなぁ」
重苦しい音を立てて置かれた警棒と、棒の一部分が金属になった警棒亜種がそれぞれ2つずつ。
「全員ド突き回せば手っ取り早いのはわかってるよ？それよりAが外出んようにすればそれが一番早いけど」
そうもいかへんやろ？と『危険！』のラベルが貼られた香水瓶が3本、そして留め具のついた小さなボタンらしきものと小型のイヤホン、穴のある髪留めのようなものと、先端に金具のついた手持ちサイズの四角い機械は、まさか、スタンガン…ですか…？
その他まるで使い方が分からない、見たこともないものが続々と並べられていく。
「トントン…これは、」
恐らくいま、警察がもっとも取り押さえたいのは盗撮犯ではなく私たちではないだろうか。
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あまぎ(プロフ) - linkeaさん» 心に染みるコメントありがとうございます！tﾝ氏の妥協の産物ﾛﾎﾞﾋﾟｯﾋﾟですが自分で想像して可愛いと悶えたりもしました。彼には是非あざと可愛い行動をして欲しい…！こちらこそ楽しく読んで頂けるのめちゃめちゃ嬉しいです！今後ともよろしくお願いします！ (2021年2月21日 16時) (
レス) id: 975a9486c5 (このIDを非表示/違反報告)
linkea(プロフ) - 楽しく読ませてもらってます！！19話目のピッピの流れめっちゃ好きです笑 こんなにも面白い話ありがとうございます！ (2021年2月20日 12時) (レス) id: b1d2253538 (このIDを非表示/違反報告)
あまぎ(プロフ) - ゆりおとめさん» そこに触っていただけるとは！ナカーマです！自分からは好きな人に好意を持って接すれるのに好意を持った相手から好意を向けられると嬉し恥ずかしになってしまう、そんなトnさんを推したくて書いてるので反応頂けて嬉しかったですー！コメントありがとうございました！ (2020年10月2日 19時) (レス) id: 975a9486c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりおとめ(プロフ) - 10話の「自分からは行けるけど、夢主から来られると挙動がバグるtn」にmoeました。 (2020年9月30日 22時) (レス) id: 01e13c464f (このIDを非表示/違反報告)
ゆりおとめ(プロフ) - 好きです (2020年9月30日 22時) (レス) id: 01e13c464f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまぎ x他1人 | 作成日時：2020年1月9日 18時
