青春３３.先輩からのお誘い ページ35
その日の夜、私は太宰先輩と電話をしていた。
勿論、通話無料のLINE電話だ。
『へぇ、そんな噂が立っているのかい？』
「はい。太宰先輩は知らなかったんですね」
風呂上がり、タイミング良く先輩から掛かってきたのだ。
調子はどうか聞かれたが、友達も出来て楽しいと答えた。
何だか、離れて暮らしている兄妹みたいだと思った。
『選ばれたからには世話をしないとと思ったのだけど、余計な誤解を与えてしまっていたようだね』
「みたいです。私にはモンゴメリちゃんがいますし、もう大丈夫なので、太宰先輩は私のことなんて気にしないでください」
『うーん、それは困ったねぇ…黒組の唯一の花が散れば織田作も悲しむよ』
「黒組の花って、私がですか？」
『そうだよ？』
少し嬉しかった。
「で、でも、私はただ友達がいなかったから居させてもらっていただけで…」
『真逆。それでも君は我ら黒組の仲間入りだよ』
そうなれば、他にも居るのだろうか。
「あの、私の他にも居るんですよね？」
『うん、そうだね。君も合わせて１、２年に5人。
３年に私も合わせて３人だよ』
「け、結構居ますね……」
『うふふ。まぁ、仲のいい人達をそう呼んでいるだけだけどね』
なかなか友好関係が広いな…。
まぁあのメンバーは楽しいから、分かる気はする。
『でもそっかぁ…そんな噂が流れているなら、今度のイベントは一緒に行けないね』
「イベント？」
何かあったかな…と、カレンダーに目をやる。
そして、気付いた。
『夏の醍醐味(ﾀﾞｲｺﾞﾐ)、夏祭りだよ』
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作者名：入浴 | 作成日時：2018年3月12日 23時
