青春3.いざ参らん!教室へ! ページ4
「さて、雑談はここまでにして、本題に入るかの」
改めて背筋を伸ばす。
「この学園についてじゃ」
にやりと口元に弧を描き、話し出した。
「ここヨコハマ学園は、寮制度になっておるが、強制ではない。まぁ行事(イベント)に関しては泊まってもらう事になっとるがな。
標語(スローガン)は太宰の小僧に聞いとるだろ」
「え?はい…」
何 故 判 っ た ?
この人、真逆エスパー!?
「後はそうじゃの…あぁ、そうそう。
乱闘は日常茶飯事じゃから、気にするな」
「ら、乱闘!?乱闘が日常茶飯事!?」
「乱闘って何スか!?」思わず立ち上がる。
勢いが良すぎて椅子が倒れて仕舞った。
「被害が出ぬようにキツく云い聞かせておる。
心配せずとも誰かが守ってくれるじゃろ」
誰かって…乙ゲーの主人公じゃないんだし…
(※夢小説なので乙ゲーみたいなものです)
呆れ半分に突っ立っていると、学園長は机の引き出しから何かを取り出した。
「ほれ、折角立ったのじゃ。
後の事はこの小冊子(パンフレット)に書いてある。迷子にならんよう持っておけ」
渡されたのはこの学園の小冊子だった。
有難く受け取ると、「朝の短学活が始まるぞ。遅れんようにな」と云われた。
――――― 一礼して学園長室を出ると、ずっと待っていた太宰先輩が手を挙げた。
「やァ、早かったね。もう少し遅くても善かったのだよ?」
「そういう訳にはいきませんよ。短学活に遅れてしまいます」
「君は真面目だねぇ」
クスクスと楽しそうに笑う太宰先輩の顔は本気で綺麗だ。
見惚れてしまう程に…。
呆然と太宰先輩の笑顔を見つめていると、それに気付いた先輩がにたりと悪戯めいた笑みに変えた。
「あれ、真逆…見惚れた?」
「え、あ、まぁ…少し」
恥ずかしさと気まずさで目を合わせられず逸らしてしまった。
「はァ…太宰先輩って顔は好いですよね」
「え、顔"は"?ねぇ、顔だけ??」
少し傷付いたような顔を指差しながら尋ねてくる太宰先輩に、同じ言葉を繰り返した。
「はい、顔だけ」
「そんな事より、案内して下さいよ」これ以上は私の心臓が持たない。
唯でさえ女の恨みを買わないように気を付けなければいけないのだ。
私は小冊子を見ながら歩き出した。
不貞腐れた顔をしている太宰先輩がポツリと呟いた。
「云ってくれるじゃないか…
ふむ、卒業までにどれ程距離を縮められるか、試してみるのも又一興…うふふ」
1人盗み笑う太宰先輩に、私は気付かなかった。
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作者名:入浴 | 作成日時:2018年3月12日 23時