青春27.ビーチボールとは ページ29
私は今、1人で海に浮かんでいる。
乱歩先輩?私に浮き輪を渡して福沢さんの所へ戻ったよ。
『そろそろ来ると思うから、僕は行くね!』
と、言い残して。
「来るって…誰が??」
考えても判る筈はない。
その時、「危ない!!」という叫び声が聞こえた。
何だろうかと声の聞こえた方向を見ると、丁度ビーチボールが飛んできていた。
「へぶっ!!」
避けることは不可能。見事、顔面に命中した。
ビーチボールって、当たってもサッカーボールとかよりは大分衝撃は少ない筈だよね?
目眩がするのですが?←
グラグラと回る目に酔って、スルリと浮き輪の中へ沈んだ。
ゴボゴボと口の中から泡が出ていき、一気に酸素が足りなくなる。
ヤバイ…と思った瞬間、誰かに腕を引っ張られた。
そのまま体を抱き締められ、海上へ上がっていく。
「―――ぷはぁっ!ハァ…はっ…大丈夫かい?」
「げっほ!ごほっ!ハァ…げっほ…!ハァ…ハァ…ケホッ」
酸素を貪るように息をする。
十分に酸素を取り込み、落ち着いた後、ふと視界に入った腕。
私が掴まっている腕は、包帯がグルグル巻かれた見覚えのある腕だった。
真逆と思い、ゆっくりと顔を上げると、そこにいたのは予想通り、太宰先輩だった。
「だ、太宰先輩!?え、あの、ありがとうございます…」
ずっと掴まっていたことに気づき、急いで離れる。
「もう少し頼ってくれてても良かったのに」
なんて笑うけど、そういう訳にもいかない。
太宰先輩のファンに殺される。←
「もう大丈夫です!」
「そうかい?ごめんね、中也の莫迦が…」
「おい!!聞こえてんぞ太宰ぃ!!」
太宰先輩の後ろを見ると、手を掲げて怒鳴っている中原先輩が目に入った。
その近くには矢張り見覚えある人物達。
敦君、龍之介君、織田先生、坂口先生だ。
黒組が大集結していらっしゃる。←
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作者名:入浴 | 作成日時:2018年3月12日 23時