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青春11.乱歩先輩の推理は当たる! ページ12

家に入り、真っ先に自室へと向かった。

鍵を机の上に置いて、悶々と思考を巡らせる。

一体何時?何処で渡された?

もし乱歩さんが私に渡したと仮定すれば、時と場所に心当たりが全くなくなる。

だからといって、他に渡してくる人なんているのだろうか?

「いや、そもそも、あの…アドレス?誰のなんだろ」

怖くて春野さんには見せられなかった。

あまり迷惑をかけたくないという思いもあった。

「何唸ってるの?」

「うっわぁ!?び、吃驚した…」

横からにゅっと顔を覗かせたのは乱歩先輩だった。

音も気配も無しに近付かれ、心臓がバクバクと音を立てる。

「先に断っておくけど、ノックはしたからね」

「あ、そうです…か。済いません、気付かなくて」

「別に気にしてないけど?」

ノックをしたのならば責めることは出来ない。

棒付きの飴を口の中で転がしながら机上に置かれた鍵を見つめている。

雰囲気がいつもと違って、大人びている。

「ふーん…成程ね」

「君が唸っている理由が判った」くるりと方向転換すると、私のベッドへと足を向けた。

どさりと腰を下ろす。

「あの、乱歩先輩?女子のベッドですよ?」

「?そのくらい判るよ」

「何も無いんですか?緊張とか…」

「するもんなの?」

さっぱり判らんといった感じで返され、こちらが引くレベルだ。

この人、彼女とか絶対出来ないタイプだ←ド失礼

「ま、まぁいいですけど…それで、どういう事なんですか?」

「質問の仕方下手…まいっか」

今何か云いかけたろ?←

「その鍵、僕が渡すの忘れてて太宰に頼んでおいたんだ。

君達が昼休みに会うことは判っていたからね」

「え、何で判ったんですか?」

私が問うと、それさえも判っていたかのように微笑んだ。

「簡単だよ」

乱歩先輩は人差し指を立てると薄く目を開いた。

緑の瞳が覗き、魅了されそうだ。

「君は来たばかりで友達は0。

そういう子は決まって1人で食べようとする」

「それで、何で私が屋上へ行くと…?」

「君は何処か学校に憧れを抱いているからね。

大方、1度だけでも屋上に入ってみたいとか思っていたんだろう?」

図星だ。何も云い返せない。

でも、何故そんな事まで判ったのだろう。

「そして、屋上はよく黒組が占領していることも有名だ。

よって、君達は必然的に会うことになる」

いっそ探偵でもした方が稼げるのでは…?

ってか歳いくつですか?←

青春12.LINEの名前は個性が出る→←青春10.鍵は大事だよね〜…うん。



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作者名:入浴 | 作成日時:2018年3月12日 23時

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