訳あって、隣の席の中原君と一緒に住むことになりました。

仕掛けてみようかな。 ページ10

太宰side.






「はい、あと5分だぞ〜」






体育の先生の声が聞こえる。




これだけ走ってあと5分もあるとか、

先生は鬼だね。







『っはぁ、…疲れた』







今、私のすぐ横に、Aちゃんがいる。



どうやら長距離が苦手らしく、先程からずっと

息を切らしている。







『太宰君、私に合わせなくても、いいよ…』








私はAちゃんのペースに合わせ、態と後ろを走っている。



中也はと云えば、体力莫迦なだけあり私達と何周も差を付けているのに、全く体力を消耗していない。



今中也は、私達の丁度半周前にいる。









＿＿＿仕掛けるなら、今かな。









「…Aちゃん、疲れたでしょ？ちょっと、
保健室で休んだ方がいいよ…顔色、悪いし」





私は、小声で話しかける。







『これくらい、平気……だから』








まぁ、意地張ると思ったよ。予想通りだ。









「…先生、佐原さん熱あるみたいなんで、保健室連れて行きますね」








私はAちゃんの意見なんてお構い無し。

大声で先生に叫んだ。








「おい、大丈夫か佐原。辛いなら無理すんなよ…
じゃあ太宰、悪いがよろしく頼む」







よし来た。







チラ、と中也の方を見ると、



止まって一瞬こっちを見たが、

またすぐに再び走り出した。









『…太宰君……ありがとう』






やっぱり、走るのは辛く、辞めたかった様だ。






「どういたしまして。
じゃあ、行こっかAちゃん」









……ふふ、これからが本番だよ。




・

この状況、やばい助けて→←アレ、現実！？

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