9.おかゆ ページ9
ジェラルディside
ジェラル「キリミ、起きているか」
重い電子扉が金属音を散らし
コンコン、と鈍いノック音をたてる
だが、そう簡単に入れてくれる
キリミではない、
困ったな、飯が冷めてしまう
「……けマ…すヨ、…い…デすね」
中から発音のしっかりしていない
シキリミの声がする、考える間もなく
電子扉が小さな音をたてて開いた
シキリミ「…どウも、じェらルデぃ様」
ジェラル「…あぁ、キリミはいるか」
シキリミ「………ハい、
ベッどの方ニいマス。」
ジェラル「そうか、ありがとう」
シキリミの案内を受けて、
ベッドの方に向かう、
シーツの上にいるキリミは微かだが
小刻みに震えていて、除く顔が赤かった
ジェラル「…キリミ、飯だ」
キリミ「…ん、置いといて」
ジェラル「ダメだ、そういう訳には
いかん、ここで食え」
キリミ「…なんで、やだよ」
ジェラル「いいから」
キリミ「………」
もそもそとベッドから出てきて
おかゆを受けとるキリミ、
拗ねてしまった子供のようで
可愛らしいなんて事を言ったら
こいつは怒るだろうか
キリミ「…いただきます」
ジェラル「召し上がれ」
木製のスプーンを手に取り
綺麗な白い唇に運ぶキリミ、
キリミ「…おいしい」
嬉しそうにふわりと微笑むキリミが
昔の頃と変わってないようで、何とも愛しくて
キリミ「…高橋クンの手作り？」
ジェラル「あぁ、だが今回は私も手伝った」
キリミ「…ジェラル…が？」
ぱちり、と大きな魚の瞳を見開く。
吸い込まれそうなほど大きな目に、
ベッド付近に置いてある
ライトの淡い光がゆらりと揺れた。
ジェラル「あぁ、美味いか？」
キリミ「…うん、とっても」
ジェラル「これなら食べられそうか？」
キリミ「…心配して、お肉まで
入れてくれたんだ、
…うん、これならなんとか
食べられそうだよ」
ジェラル「よかった」
綺麗な黒い瞳が、にこりと
微笑み私を見つめた
ジェラル「…綺麗な顔だな、相変わらず」
キリミの頬に触れると、
コイツはきゅ、と唇を結び
かぁっ、と顔を赤らめた
キリミ「…ずるい」
ジェラル「…？」
キリミ「ジェラルだって、綺麗なのにさ」
ジェラル「そんな事はない、
お前の方が綺麗さ」
キリミ「何それ、口説いてるの」
ジェラル「？そんなつもりは…」
キリミ「…ジェラルはずぅっと
変わらないね、」
ジェラル「…そうか」
当たり前だろう
ずっとお前は私の憧れで、
その白く綺麗な美しい顔立ちも
優しい兄のような振る舞いも
全て含めて、
今も昔も変わらず
大好きなのだから
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雨粒 - しししっしししらちゃ…！？！？(違ったらどうするアホ)あっああああありがとうございまずっ(土下座)頑張りまずっ(号泣) (2021年7月20日 2時) (
レス) id: 7ece90430c (このIDを非表示/違反報告)
しらす。/sirasu。 - …こういうのかける人ほんと凄いと思います。応援しています…！！ (2021年6月26日 19時) (レス) id: fcb24bf181 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨粒 | 作成日時：2021年5月1日 20時
