【BTS】シュガーシガーキス

□.3 ページ38

好きだった、中1の頃から。ホソクの事が。

ほかの男の子に好かれるのが面倒だったのはホソクが好きだったからで。
それをホソクに話してたのは気を引きたかったっていうのもある。面倒くさい、自分で。





好きで、けどわたしはユンギさんの時もそうだった様に。好き以上に踏み込んで行こうとしない。


一方的な想いは、いつか終わりを迎えるんだと思ってしまうから。

きちんと想いを伝えてそれをはっきりと拒絶された時。それは恐らく好きな人に彼女が出来たとか。そんなの次元じゃないくらい傷付きそうで踏みとどまってしまう。

多分わたしは、ホソクやユンギさんが思っている以上に、すごく。臆病で自己保身に必死なタイプなんだ。




惰性の混じってきた好きをそれでも大切に持っていながら。
高校一年生の時。

別の人を目で追うようになった。


最初は、ただの憧れに近いものだと思って。



けれど彼を思う時。あんなに好きだったはずのホソクは頭の片隅にもいないことに気がついてしまった。




ーーA。

優しい声。表情。
眠たい時高い体温。
大好きな匂い。

男性の体は女の子と違って硬くて最初少しだけ痛いんだなって知った。



男の人に抱きしめられる事すら。初めてだった。
ユンギさんが。




全部、全部。ない未来だって。あったはずで。




ホソクと、ユンギさんが交錯して。なんだか泣きそうになった。



「ごめん、わたし、」


ホソクに想いを伝えて貰っても。
ユンギさんのことしか考えられてない。

もしもユンギさんがいなかったら、とかそんなことばかりで。




「やー、ほんと。謝らせる気無かったけど。……マジで好きだったから」




わたしよりずっと。辛いはずなのに。
困った様に笑うホソクに、わたしはこの人が好きだったんだなぁ、って。鼻の奥がツンとして。

その手をぎゅっと両手で握った。




涙もろいホソクの声には少しだけ震えが混じっていて。
唇を噛み。俯きながら首を横に振った。

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