【Ｈ×Ｈ】カフェマキアート【クロロ】 (ページ1)

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コーヒーの染み___１ページ1

彼の名前はわからない。

とある団体の団長らしい。

よく一緒に来るほかの方がそう言っていた。

よく、いろんな書物を読みながらブラックコーヒーを飲みに某コーヒー専門店にやってくる。

彼は基本的1日で本を三冊は読み切ってしまうが、その日は一冊の本をじっくりと読んでいた。

私はそんな彼を見たくて最近その某コーヒー専門店で勉強してから帰っていた。

彼のことを見ているだけで本当に幸せだ。

ただの私の一目惚れから始まった。

きっかけなんて単純でいいのに。それが出来ないからこそ意気地無しだ、と改めて思った

鞄の中から参考書とノート、筆箱を出して課題に取り掛かった。

視界の端に彼が映り込む。

それだけで幸せだ。

彼らの会話を聞きたくって音楽を聴かないで課題に取り掛かる。

「そういえば団長。来月のアレ。終わったらどうする？」

「ああ、また1度解散しよう。」

「そうなんだ」

左手で書いていたペンを止めてしまった。

今週？彼らは何かをしにこの街にきただけで、住んでいる訳では無いのか？

私の頭にぐるぐる回ってきたのはそんな言葉だった。

この想い早く伝えないともう彼はいってしまう。

でも、私には伝える勇気なんてない。

1ページ参考書をめくった。

この参考書はもう飽きるひどやった。

問題も暗記してしまった。

めくった時に目に飛び込んで来たのは彼の横顔のイラスト。

絵の得意なクラスメイトと一緒に入った時に描いてもらったものだ。

ストーカーみたいになっちゃってないかな…？

そっと彼を見た

きっと気づいてないだろうと思った。

すると彼がこっちに目線を向けてくれた。

一瞬だったからすぐに目を逸らした。

やばい。今、完全に目が合った。

恥ずかしい……

参考書に目を戻しても彼の似顔絵がある。

机の上の参考書を閉じ、リュックサックからほかの参考書を出した。

今までやっていたのが基礎だとしたら、今から始めるのは応用だ。

基礎をしっかりやったから応用も解きやすい。

私が3ページ目に取り掛かろうとした時、彼は店から出ていった。

あと1時間頑張ろう

私はそう思った。