travel 65 ページ19
その事に二人はなお驚く。特にベルは初期の彼の話し方は自分の所に踏み込ませないためのものだと思っていたからだ。実際、何処と無く取っ付きにくい雰囲気だった。しかし、今はどうだ?アルティアの本来の明るさとも言える雰囲気。本当に堕神を宿しているのか疑うレベルである。
「お前…のまれて、いないのか…?」
「あぁ。ちゃーんとボクも成長出来てたみたい。さて、乱暴な言葉遣いが出来ないのはちょっと困るけど…2人とも準備はいいかな?ボクがコレ宿したことで、敵は戸惑ってるみたいだしね」
アルティアにそう言われ、2人は気付く。さっきまであんなに襲ってきていたブラックドラゴン達が目に見えて戸惑っているのだ。攻撃してもいいのか、と。これはこちら側――アルティア達にはこの上ない有利となった。
「“ライトトルネード”!!」
「はぁああ!!」
「よっと!」
3人はそれぞれがそれぞれを援護するべく動く。一回アルティアをメインに2人が援護にまわれば次はリオをメインに、残りの2人が援護にまわり、ベルが仕上げにと詠唱ありのをぶつけようとすれば、アルティアは乗り気ではなかったが、すぐさま援護にまわったのだ。リオが大剣で足払いをかけて、体勢を崩したブラックドラゴンにアルティアが追い打ちで胴体を思い切り横薙ぎにぶっ飛ばす。そして最後にベルが
「“光の槍を持って我が敵を貫かん!――ランスレイン・ライト”!!!」
詠唱ありの光属性のついた槍の雨を降らす。体勢を崩されている上に翼を潰されているブラックドラゴン達はなす術もなく貫かれ、そして消えていった。一応手加減したらしく、大惨事にはならなかった。その事にホッとしつつも、アルティアはベルを睨む。
「おい、詠唱ありはダメだって言っただろ!!」
「いやぁ、こうでもしないとやられてくれなさそうだったから」
「全く…まぁいい。とりあえず、宿屋を借りるか」
「そうだね。ボクも封印しないとね」
アルティアはズボンのポケットから封印具を取り出すと左側の横髪につける。すると、彼の左目は元の色に戻った。どうやら、問題は起きなかったようだ。
「よし、とりあえず嬢ちゃんは俺が抱えるとして…」
「問題は、アレクさんだよねぇ…」
「だな。あたしとベルで抱えるか」
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ユエル@リノリア(プロフ) - りょーさん» コメントありがとうございます!不定期更新なのでいつ更新できるかわかりませんが、待っていてくださると嬉しいです! (2017年10月16日 18時) (レス) id: cfdb788b81 (このIDを非表示/違反報告)
りょー - とても面白かったです!続き待ってます! (2017年10月15日 17時) (レス) id: b27fe6d1f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユエル@リノリア | 作者ホームページ:
作成日時:2016年3月20日 23時