travel 62 ※流血表現あり ページ16
そのアルティアの姿に誰もが彼が勝った。そう思ったのだろう。しかし、まだ煙が晴れない中、煙を纏わせながらもアルティアに近づく影が一つ。
ガキィッ!!!
アルティアは咄嗟に受け止めたが、思いのほか力が強く弾く事が出来なかった。
「やってくれたなぁぁ!!!小僧!!!」
そう、飛び込んできたのはアレクだ。どうやらまだ気絶してなかったらしい。その事にアルティアは驚くよりもしくじった、という顔をしていた。
「っち、頭ぶん殴りゃよかったぜ」
「ははは!!!!おらああぁあ!!!!」
アルティアの声も聞いてないのか、アレクはがむしゃらに斬りかかる。しかし、一撃一撃は重く、少しでも力を抜けば武器が弾かれる――そう言っても過言ではないほどの力と勢いだった。だがアルティアは相手の力が格段に上がったにも関わらず、特に諦める様子も負けを認める様子もない。その様子にベルは
「確かに僕、ボコボコにしてこいって意味で暴れてきなよ、とは言ったけどさぁ…」
とばつが悪そうに頭をかく。リオは
「頼むからヒヤヒヤさせないでくれよ…？」
とジト目でアルティアを見、ラナは2人の打ち合いが早すぎて見えないのか
「どうなってるの？音しかきこえないよ…？」
と首を傾げるのだった。
・・・
アレから数十分が経った。今度は先ほどとは違い、お互いにボロボロだった。それもそうだろう、お互いがお互いに一回ずつ頭から思い切り壁に激突しているのだ。一応2人とも頭から出血はもうしてはいないがそれでも怪我したのが頭という事もあって、結構な量の失血をしている。それに加えて、体中に細かい切り傷。もう、失血多量で倒れてもおかしくはない程だ。アルティアは口の中にたまった血を吐きだすと、額を流れる血を拭う。アレクも頬に伝った血を乱暴にぬぐった。
「さぁて、ここまでくりゃあてめぇも、流石に…動きが鈍いな」
「ははは、ここまで戦ったのはいつぶり、だろうなぁ!!!」
そうして、2人が次で決めようか、と武器を構えなおした時だった。
「「「オオォオオォォオオ!!!!」」」
何処からか、咆哮が聞こえる。そしてベル達にはこの咆哮は聞き覚えがあった。そう、紅いうろこに緑目のレッドドラゴンでも青いうろこ黄色い目のブルードラゴンでもなく、真っ黒に紅い目をしたブラックドラゴンの咆哮であった。それも、複数のである。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユエル＠リノリア(プロフ) - りょーさん» コメントありがとうございます！不定期更新なのでいつ更新できるかわかりませんが、待っていてくださると嬉しいです！ (2017年10月16日 18時) (
レス) id: cfdb788b81 (このIDを非表示/違反報告)
りょー - とても面白かったです！続き待ってます！ (2017年10月15日 17時) (レス) id: b27fe6d1f7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユエル＠リノリア | 作者ホームページ：
作成日時：2016年3月20日 23時
