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travel 61 ※流血表現あり ページ15

それを背に受けながらアルティアは考える。このまま倒せはしないか、と。だが、その考えがいけなかった。

―やれやれ、流石にあれを喰らったらまずいな

そう思っていたら避けるのが一瞬遅れたのだ。そのせいで横に薙ぎ払われた大剣がアルティアの腹を正確にとらえた。全力ともとれるその一撃を身に受けたアルティアは、相手が出てきた出入り口付近から、リオが出てきたと思われる出入り口の方まで一気にぶっ飛んだ。それもほぼ水平に。そしてそのまま頭から壁に突っ込んで、派手な音を立てる。辺りには煙が舞い、瓦礫が崩れた。

「「「!!」」」

観客席で見ていた3人は驚きのあまり声が出なかった。観客たちはこれで決まったと思ったのだろう、先ほどとは違う歓声をアレクに送る。が、煙が晴れると頭と口から血を流してはいるもののそれ以外は変わらないアルティアが立っていたのだ。

「けほっ……いやぁ、流石大剣使いだな…体中いてぇよ」

先ほどと何ら変わらない口調で話すアルティアに、観客は静まり返った。そして、アレクは何故かゾクリ、と背中辺りから寒気がしたのだ。

「な…なんで、生きて…」

「ハハッ、生憎と俺はこの程度じゃあ死なないんでね。さぁ、お前のお望み通り武器を出してやるよ。ただし――もうこっちも手加減効かねぇからな」

そう言ったアルティアは右手を横に伸ばす。すると、彼の右手首にある腕輪が光り、彼の手には彼の身長を優に超す長柄のハンマーが握られていた。

「!」

「ほぉら、さっきのお返しだ!!!」

アルティアはそういうなり両手で柄を持ちながら殴りかかった。アレクはそれに反応し、ハンマーをすんでのところで弾き返す。しかし、すぐさま柄の細い方で喉を突かれ、せき込む。そしてその隙を見逃さないアルティアはアレクを渾身の力で殴り飛ばした。その一撃は、アレクのその巨体をいとも簡単にぶっ飛ばし、壁に激突させる。それを見届けたアルティアはハンマーを右肩に据えてニヤリと笑った。

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設定タグ:シリアス , オリジナル , 男主   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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ユエル@リノリア(プロフ) - りょーさん» コメントありがとうございます!不定期更新なのでいつ更新できるかわかりませんが、待っていてくださると嬉しいです! (2017年10月16日 18時) (レス) id: cfdb788b81 (このIDを非表示/違反報告)
りょー - とても面白かったです!続き待ってます! (2017年10月15日 17時) (レス) id: b27fe6d1f7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユエル@リノリア | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年3月20日 23時

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