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あれから、1年。
無事に鬼舞辻を倒した。
あの戦いは、多くの犠牲を出した。
隊員の誰もが、多かれ少なかれ
心にも体にも傷を負った。
あの春から1年が過ぎ、また春は来た。
お館様の選んだ彼女の墓の場所は、
彼女の羽織の色そっくりに花を咲かす
桜の木の下にあった。
太陽の光りを出す技という、鬼を滅殺する希望を彼女は持っていた。
だからこそなのか、彼女の笑顔は光りの様だった。
あの美しい桜色の羽織は、形見として俺が貰った。
Aは儚かった。
儚い程に美しく、謙虚で優しかった。
人の心を詠む能力を持ち、
人の醜さ、穢れを誰よりも知っていた筈なのに。
そんな彼女に、恋をした。
いつからだったかは覚えていない。
最終選別が同じ同期で、
錆兎を失った時に慰めてくれ、
その光りの笑顔だけは何よりも守りたかった。
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學嶺 - このお話、感動しました!他の作品も応援しています!頑張ってください! (2020年5月30日 14時) (レス) id: a702f5d3b3 (このIDを非表示/違反報告)
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