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あんなに、あんなに弱々しい薮の声。
初めて耳にした。
俺が電話に出た時の泣きそうな声。
薮にとって、Aちゃんは自分のたった1人の妹。
そして、同期でメンバーの伊野ちゃんの彼女だった。
『薮、急いで行くから待ってて。
まだ、伊野ちゃんの部屋には入れちゃダメ。』
絶対にダメだよ、そう念押しして電話を切った。
山田も知念も、Aちゃんのお見舞いに行って
水をたくさん吸ったスポンジみたいに少しでも突付いたら、泣きそうだった。
それ位、伊野ちゃんの事が大切で、
その分、遺されたAちゃんが心配で。
大切な人が亡くなる悲しみは、どう頑張っても、拭えない。
家に着いて、ピンポンした。
『ひか、る…。』
泣く寸前かの様に、目を真っ赤にした薮。
『Aちゃんは……?』
『今、寝た…。』
『ん、分かった。
薮、今の内に泣いちゃいなよ。』
子供の様に泣きじゃくる薮に連れて、
止まっていた筈の涙がまた出てきた。
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いちごみたん(プロフ) - 伊野尾様Love.@七星さん» ありがとうございます!応援、よろしくお願いします! (2020年1月22日 18時) (レス) id: 689dc2582c (このIDを非表示/違反報告)
伊野尾様Love.@七星 - 素敵な作品がたくさんいちごみたん様によって生まれることを願っております!! (2020年1月22日 13時) (レス) id: e41447f8a9 (このIDを非表示/違反報告)
いちごみたん(プロフ) - 伊野尾様Love.@七星さん» 泣いてくださるなんて、私が感無量です!これからも応援、よろしくお願い致します! (2020年1月21日 15時) (レス) id: 689dc2582c (このIDを非表示/違反報告)
いちごみたん(プロフ) - 伊野尾様Love.@七星さん» 感想、ありがとうございます!涙をテーマにした作品、 (2020年1月21日 15時) (レス) id: 689dc2582c (このIDを非表示/違反報告)
伊野尾様Love.@七星 - 完結…おめでとうございます…!私個人の意見だとHappyなのかな、と思います。一ページ一ページ読むたびに涙が溢れてきて…、きっと回りの皆に支えてもらって自分も生きてるんだなと思いました。とても素敵な物語ありがとうございました! (2020年1月21日 9時) (レス) id: e41447f8a9 (このIDを非表示/違反報告)
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