検索窓
今日:3 hit、昨日:11 hit、合計:5,865 hit

5 ページ6

あんなに、あんなに弱々しい薮の声。



初めて耳にした。



俺が電話に出た時の泣きそうな声。



薮にとって、Aちゃんは自分のたった1人の妹。



そして、同期でメンバーの伊野ちゃんの彼女だった。



『薮、急いで行くから待ってて。



まだ、伊野ちゃんの部屋には入れちゃダメ。』



絶対にダメだよ、そう念押しして電話を切った。



山田も知念も、Aちゃんのお見舞いに行って



水をたくさん吸ったスポンジみたいに少しでも突付いたら、泣きそうだった。



それ位、伊野ちゃんの事が大切で、



その分、遺されたAちゃんが心配で。



大切な人が亡くなる悲しみは、どう頑張っても、拭えない。



家に着いて、ピンポンした。



『ひか、る…。』



泣く寸前かの様に、目を真っ赤にした薮。



『Aちゃんは……?』



『今、寝た…。』



『ん、分かった。



薮、今の内に泣いちゃいなよ。』



子供の様に泣きじゃくる薮に連れて、



止まっていた筈の涙がまた出てきた。

6→←4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.5/10 (18 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
22人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

いちごみたん(プロフ) - 伊野尾様Love.@七星さん» ありがとうございます!応援、よろしくお願いします! (2020年1月22日 18時) (レス) id: 689dc2582c (このIDを非表示/違反報告)
伊野尾様Love.@七星 - 素敵な作品がたくさんいちごみたん様によって生まれることを願っております!! (2020年1月22日 13時) (レス) id: e41447f8a9 (このIDを非表示/違反報告)
いちごみたん(プロフ) - 伊野尾様Love.@七星さん» 泣いてくださるなんて、私が感無量です!これからも応援、よろしくお願い致します! (2020年1月21日 15時) (レス) id: 689dc2582c (このIDを非表示/違反報告)
いちごみたん(プロフ) - 伊野尾様Love.@七星さん» 感想、ありがとうございます!涙をテーマにした作品、 (2020年1月21日 15時) (レス) id: 689dc2582c (このIDを非表示/違反報告)
伊野尾様Love.@七星 - 完結…おめでとうございます…!私個人の意見だとHappyなのかな、と思います。一ページ一ページ読むたびに涙が溢れてきて…、きっと回りの皆に支えてもらって自分も生きてるんだなと思いました。とても素敵な物語ありがとうございました! (2020年1月21日 9時) (レス) id: e41447f8a9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:いちごみたん | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2020年1月5日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。