第百二十話。超増殖。 ページ9
莫大な量の炎を注ぎ込まれ、開匣された匣から飛び出してきたのは。
「キュ……ウプ…」
酔ったようにフラフラで、立ち上がれない雲ハリネズミだった。
今まで注がれた事の無い炎の量に消化不良を起こしたのか…そんな状態でも頑張って立とうとする雲ハリネズミ。
恭弥くんはすっとハリネズミの隣に座り、手を差し伸べる。
…彼は本当に動物には優しい。
そんな彼が持ち主のハリネズミが差し伸べられた手に恭弥くんの匂いを感じたのか、嬉しそうそちらを向く。
しかし。
思う様に調節出来ない針の長さのせいか、足元がおぼつかないせいか。愛しい持ち主である彼の手を自身の針で刺してしまう。
滴る血。刺してしまった手、自分を見つめる瞳。
「キュゥゥ……」
キュアアアアア！！
そう叫ぶような鳴き声をあげるハリネズミ。その目には涙。
そして叫び声に呼応するようにハリネズミはハイスピードで分裂し、その数を増やして行く。
主を刺してしまったことによる精神的ショックと今まで注入されたことの無い量の炎。それらが引き起こしたのは。
暴走による超増殖。
その針はもう相手を選ばずに襲いかかってくる。
完全に混乱し、制御不能になってしまっている。
「……おっと、私もこんな所にいたら串刺しだ」
私も迫りくる針に逃げるように走り出す。
出口付近にいたため、そこまで危機迫っていた訳ではないけど…。
どこまで増殖するか分からないからもう少し遠くの部屋まで逃げよう。そう思い、さらに移動する。
……そして完全に恭弥くん達とは、はぐれてしまった。
ここまでが私の見ることのできた事の顛末。
……さて、ここからどうしようか。
恭弥くん達との合流はなかなか難しいだろうし…幻騎士も別の部屋に逃げられたようだし。
一人ぼっちだ。
…………。
…そうだな。もういいか。
この後の計画を思いだしながらため息をつく。
ここまできたら、もういいだろう。
…正直、疲れた。
急激に襲いかかってくる眠気に抗うことはせずに私はそのまま意識を手放した。
((…催眠ガス……かな……？…))
((……床、冷たいし、結構固くて…))
((……痛った！？痛ったい！なにこれ！))
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たかさ(*^^*)(プロフ) - とまさん» ありがとうございます！正直久しぶりの更新なので読んでくださる方がいるか不安だったのですが、コメントとても嬉しいです！頑張ります！ (2020年6月28日 18時) (
レス) id: 78054b484b (このIDを非表示/違反報告)
とま - 最新楽しみにしてます!面白いです。頑張ってください！ (2020年6月28日 17時) (レス) id: 99861cccf4 (このIDを非表示/違反報告)
たかさ(*^^*)(プロフ) - アップルパイ♪さん» 申し訳ありません。台本書きにすると文字数制限の関係でかなり厳しいのです。読みにくいのは私の表現力の無さのせいなので努力したいと思います。誰が言った言葉なのかなどの質問は受け付けますのでご理解いただけますと幸いです。 (2018年4月15日 10時) (レス) id: 43dfc0e37e (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ♪(プロフ) - 少し読みにくいので台本書きで書いてもらっても大丈夫ですか？すごく面白いので更新楽しみにしています！頑張ってください！ (2018年4月15日 8時) (レス) id: 12d5eb2c7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ガーディアン@たかさ | 作成日時：2018年4月11日 17時
