第百二十四話。生命活動。 ページ35
「それでね。炎の枯渇については昔の実験のせいってのは聞いたと思うんだけど」
「うん」
「もともと死ぬ気の炎っていうのは生体エネルギーが元なんだけどさ、
君の場合、生体エネルギーを死ぬ気の炎に変換する部分に問題があるんだ。だから君には実験を受ける前に生み出された死ぬ気の炎しかほとんど使えない」
つまり、生体エネルギーを新たに死ぬ気の炎に上手く変換出来ず、炎を使って戦っていては炎はすり減っていくばかり。
だから枯渇した。
「……でもさ、それなら戦えなくなるだけ。死にかけるなんて事あるの？」
だって他の人たちが死ぬ気の炎が無くなって倒れるのはその分生体エネルギーも無くなるから。だから生命活動が難しくなる。
でも僕は死ぬ気の炎をほとんど生み出せないけど、その分の生体エネルギーは減らないはず。
「君の場合、一度枯渇してしまうと新たに生み出す事が出来ないからね。出来ても微量。それだから影響がある」
「……？」
「君の体はほぼ死にかけてるようなものなんだよ。数多の実験であちこちボロボロ。生命活動に支障ありまくり」
「って、は？じゃあ何で今元気に生きてるのさ」
シノアの衝撃発言に僕はおもわず口を挟んでしまう。だってそうだ。事実なら今頃、というかあの時から寝たきりになってなきゃおかしい。
というか、生きてる事そのものがおかしいじゃないか。
「生体エネルギーがあるから死ぬ気の炎が生まれる。それが普通だ。でも君はそうじゃない。生きるために君の体は月の炎の特性を使って生命活動を維持している」
月の炎の特性は”変質”。
「欠けた歯車を誤魔化して、壊れた部分を覆い隠す。無意識に、生きるために常時死ぬ気の炎を自分の体に使ってる。
そんな状態で炎が枯渇したらどうなると思う？」
生きるための処置。それが無くなってしまえば…。
「体の不具合を誤魔化しきれずに、君は死にかけの状態そのものがあらわになる。だから君は寝たきりになった」
どんどんと力が抜けていく感じがする。するすると熱が消えていく気がする。
「手術して治すにもどんな実験を受けたのか分からないし、何よりも年月が経ちすぎている。どうしようもなかった」
僕は自分の体をそっと触る。心臓は動いてるし、脈もある。体温もちゃんと。
でも、でも。
「このままだとこの先、炎を使って戦う事を辞めても数年で限界が来て死んでしまうだろうね」
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たかさ(*^^*)(プロフ) - とまさん» ありがとうございます！正直久しぶりの更新なので読んでくださる方がいるか不安だったのですが、コメントとても嬉しいです！頑張ります！ (2020年6月28日 18時) (
レス) id: 78054b484b (このIDを非表示/違反報告)
とま - 最新楽しみにしてます!面白いです。頑張ってください！ (2020年6月28日 17時) (レス) id: 99861cccf4 (このIDを非表示/違反報告)
たかさ(*^^*)(プロフ) - アップルパイ♪さん» 申し訳ありません。台本書きにすると文字数制限の関係でかなり厳しいのです。読みにくいのは私の表現力の無さのせいなので努力したいと思います。誰が言った言葉なのかなどの質問は受け付けますのでご理解いただけますと幸いです。 (2018年4月15日 10時) (レス) id: 43dfc0e37e (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ♪(プロフ) - 少し読みにくいので台本書きで書いてもらっても大丈夫ですか？すごく面白いので更新楽しみにしています！頑張ってください！ (2018年4月15日 8時) (レス) id: 12d5eb2c7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ガーディアン@たかさ | 作成日時：2018年4月11日 17時
