第百十四話。傍観。 ページ3
その後、言われた通り見ているだけになってしまう私。
……ただの傍観者じゃんね？
えっ、私いる？必要？流石に戦いたいんですけど。
……勝つところ見ててよって…
「……惚れたものの弱み…か、本当に嫌になる…」
顔が赤くなりやすい私は顔を隠すようにうなだれる。
お互いにお互いの気持ちはわかっている。
でもこんな状況で、どちらかが死ぬかもしれない、未来なんてないかもしれない状況で。
……枷になるような、そんな関係を結ぶのは私も彼も望まなかった。
落ち着いたら。そんな約束だけど随分と先延ばしになってしまっている。
…………。
あぁ、いけない。見てなければ。
これも"約束"だ。
そう考え事から意識を目の前の戦闘に向ける。
…顔を上げたら景色が綻びていた。
「えっ、…なにあれ………海牛？」
「幻海牛。姿を見たのはおまえが初めてだ」
恭弥に対して幻騎士はそう告げる。
…戦闘に集中していたからなのか軽くカウントから外された。
「そして最後の人間となる」
彼がそう呟くとボタボタと音をたて落ちていた海牛達がピクリと反応し、恭弥…
…と私に飛んでくる。
ご丁寧に幻覚らしく姿が消えていくオプション付きで。
「戦闘には参加してないんだけどなっ！」
急いで手元の匣に炎を注ぎ込む。
前回の戦いで奪った鎖の匣、炎を注入されたその匣から鎖が飛び出す。
きちんと、月の炎をまとって。
その鎖を自分の周囲に展開させ、幻騎士の海牛による攻撃を防ぐ。
ドドドドンッ！
…ちなみに一度月の炎を注いでしまうともう元の属性には戻らないので仲間の匣は使えない。
匣は開けられるけどそこは大空とは違うのだ。
「…読めたぞ、リングの炎をレーダーの代わりにしているのだな」
恭弥が見えないはずの攻撃を防ぐのを見て幻騎士はそう言った。
「…戦闘に参加していない私への攻撃は無視ですかぁ…」
決めた、後でぶん殴る。
苛立ちのまま覚悟を決めた私の事など気にもせず、彼は言葉を続ける。
「だがタネさえわかれば恐くはない。対処すればいいだけの話だ」
そんな彼の言葉に恭弥は否定で返す。
「いいや、もうその必要はないな」
彼の答えに幻騎士は疑問を覚える。
「君はかつて味わったことのない世界で」
そう言葉を紡ぎながら彼は自身の指に三つのリングをはめる。
そして、彼の代名詞とも言える言葉を言い放つ。
「咬み殺してあげる」
にやりと、不敵に微笑んだ。
((いいぞー！やっちゃえ！！))
((うるさいよ))
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たかさ(*^^*)(プロフ) - とまさん» ありがとうございます！正直久しぶりの更新なので読んでくださる方がいるか不安だったのですが、コメントとても嬉しいです！頑張ります！ (2020年6月28日 18時) (
レス) id: 78054b484b (このIDを非表示/違反報告)
とま - 最新楽しみにしてます!面白いです。頑張ってください！ (2020年6月28日 17時) (レス) id: 99861cccf4 (このIDを非表示/違反報告)
たかさ(*^^*)(プロフ) - アップルパイ♪さん» 申し訳ありません。台本書きにすると文字数制限の関係でかなり厳しいのです。読みにくいのは私の表現力の無さのせいなので努力したいと思います。誰が言った言葉なのかなどの質問は受け付けますのでご理解いただけますと幸いです。 (2018年4月15日 10時) (レス) id: 43dfc0e37e (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ♪(プロフ) - 少し読みにくいので台本書きで書いてもらっても大丈夫ですか？すごく面白いので更新楽しみにしています！頑張ってください！ (2018年4月15日 8時) (レス) id: 12d5eb2c7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ガーディアン@たかさ | 作成日時：2018年4月11日 17時
