第百三十話。白い。 ページ19
「………うーむ、悩む…」
屋上の床に座り込み、顎に手を当て考え込む僕。何に悩んでいるかというと匣から出てきたこの狼の名前についてである。
見た目に起因する名前がいいよなぁ。あとイタリア語で…やっぱり僕もイタリアにはこだわりがあるからね。
悩んでいる間にも目の前の狼はいい子にお座りしてこちらを見ている。
ハッハッハッ…
舌を出して体温調節する狼、いや本能的な行動だとは分かってるけどやっぱりめちゃくちゃ可愛い。
「……あ、ちょうどお前真っ白だもんね」
「ね、"ビアンカ"」
ビアンカはイタリア語で白いって意味。そんな安直な名付けをしてそう狼に呼びかけると。
わふんっ！
と、とても嬉しそうにひと鳴き。そしてすりすり攻撃。
「……て、天使ぃ…癒される……」
悶絶。可愛さでもう殺られそうだ。
……まぁ、匣兵器だから戦い方も考えなければならない訳だし、いつまでもふざけてはいられない。
というか、えっ何が出来るのこの子？
「……恭弥に突撃…なぁんて」
そう相変わらずディーノさんに攻撃を仕掛けてる恭弥を指差し、冗談半分でビアンカに話しかけてみると。
ビアンカは勢いよく走り出し、命令通りに恭弥に突っ込んだ。……しまった怒られるぞ。
「っ！……何、なんで狼……」
膝カックンされる形でバランスを崩し、自身に突撃してきた動物を認識すると走ってきた方向、つまり僕の方を見る彼。
ちなみに今の僕のポーズは恭弥を指差してる。
…わかりやすい犯行だね！僕が犯人だよ！！
「………ねぇ、何のつもり」
ゆらりと立ち上がり、怒気を含む声色で僕を睨む恭弥。
「ごめんごめん！ちょっと命令聞いたり出来るのかなってちょっと好奇心で！！わざとでは…」
明らかに戦闘の邪魔をされて怒っている彼に必死こいて弁明する僕。
「僕で試さないで。わざとだよね、わざとじゃなければ何だっていうの」
……仰る通りですなっ！
一歩、また一歩と確実に歩いてくる恭弥に言い訳などもう意味が無い。
「………本当っに！！ごめん！！」
僕はそう叫び、走り出す。
「待ちなよ！！いくら君でも許さないから！」
彼も追い掛けてくる。鬼の形相で。
屋上の扉を開け放ち、階段を勢いよく下っていく。行き先は決めてないけどとりあえず逃げなければ。
久々の追いかけっこだ。
((……あっ！ビアンカ……匣に戻ってる！))
((僕のはロールって名前だけどね！))
((いい名前！！))
((どうも！！))
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たかさ(*^^*)(プロフ) - とまさん» ありがとうございます！正直久しぶりの更新なので読んでくださる方がいるか不安だったのですが、コメントとても嬉しいです！頑張ります！ (2020年6月28日 18時) (
レス) id: 78054b484b (このIDを非表示/違反報告)
とま - 最新楽しみにしてます!面白いです。頑張ってください！ (2020年6月28日 17時) (レス) id: 99861cccf4 (このIDを非表示/違反報告)
たかさ(*^^*)(プロフ) - アップルパイ♪さん» 申し訳ありません。台本書きにすると文字数制限の関係でかなり厳しいのです。読みにくいのは私の表現力の無さのせいなので努力したいと思います。誰が言った言葉なのかなどの質問は受け付けますのでご理解いただけますと幸いです。 (2018年4月15日 10時) (レス) id: 43dfc0e37e (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ♪(プロフ) - 少し読みにくいので台本書きで書いてもらっても大丈夫ですか？すごく面白いので更新楽しみにしています！頑張ってください！ (2018年4月15日 8時) (レス) id: 12d5eb2c7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ガーディアン@たかさ | 作成日時：2018年4月11日 17時
