最強の姉27 ページ28
「姉さん!!!」
任務中姉さんから連絡が来た。
任務の帰りに子供を助けた、と。
そしてその子供が甚爾の子供で、運悪く甚爾とも会ってしまったと。
それを聞いた時から任務に集中出来なくなった。
一緒に居た傑に殆ど任せて俺は急いで高専に戻り姉さんの部屋に向かった。
部屋に入れば姉さんは布団に潜って震えていた。
「姉さん…」
『ぁ…さとる…』
俺に気づいた姉さんは布団から顔を出したが、目が虚ろだった。
急いで姉さんに駆け寄り震えている体を抱きしめた。
折角あいつの事を忘れていたのに、やっと前を向いていけると思っていたのに、なんでこのタイミングで会うんだよ…。
偶然とはいえ甚爾に殺意を向けそうでならなかった。
『ごめんね…』
「姉さんが謝る必要はねぇだろ」
『ダメだね…大丈夫だって思ってたのに…』
姉さんの中心には必ず甚爾が居る。
ガキの頃から何かと甚爾を気にかけていた姉さんにとって、甚爾との約束だけが支えだったんだ。
なんで、なんでこうなる。
なんであいつは姉さんをこんなに苦しめる。
あいつが悪くないならこの世界か?
姉さんを尽く苦しめるのが世界だと言うなら、俺はこの世界全てが憎い。
『きっと、これからもこれが続く』
「え?」
『私はきっと…甚爾を見かける度に、声が聞こえる度に…』
「姉さん…」
『…甚爾が好きなの…本当に心から…彼が幸せなら私は何もしない方がいい…なのに…彼の子供を見た瞬間私の中で奥さんを殺したくなった…。私は呪術師…非術師を守り助けるのが仕事で宿命で、そして甚爾が幸せなら私は…』
「…無理に忘れようとするの、辞めようぜ」
『え?』
「忘れようとするからしんどいんだろ?ならさ、あいつを思い出して苦しくなったら俺が居るから、もし俺が任務の時に居なかったら硝子や傑も居る。なぁ、姉さんは1人じゃねぇだろ?俺はもっと頼って欲しいんだよ…」
『悟…』
「今度また4人で出かけようぜ。そんでプリクラ撮ってまた傑ディスろうぜ」
『あはは』
笑った。
俺の大好きな笑顔じゃない、それでも笑ってくれた。
体ももう震えてねぇし、大丈夫だな。
ゆっくりと姉さんから離れた時、ノック音が部屋に響いた。
ドアのほうを見ればそこには傑と硝子が居た。
「大丈夫かい?任務中悟の様子がおかしかったから心配でね」
「私はAの様子が気になって」
「入れよ」
中に入ってきた2人は顔色がまだ悪い姉さんを見て眉間に皺が寄る。
『今から話すことは、誰にも言わないでね…』
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兎羅-トラ-(プロフ) - オタクさん» ありがとうございます(^ω^)甚爾のラブラブランデブーしたいがために作った作品なので、甚爾再登場までお待ちを!! (2021年3月14日 14時) (レス) id: 069fc92e8a (このIDを非表示/違反報告)
オタク - えっ好きなんですけど!!!なんでこんな神作品作れるのです?!好きです。結婚しますk(((\(^▽^@ (2021年3月10日 22時) (レス) id: 069b2b7513 (このIDを非表示/違反報告)
兎羅-トラ-(プロフ) - 甘蜜蜜華(精神安定剤())さん» ありがとうございます!更新頑張って行きますので、よろしくお願いします! (2021年3月9日 8時) (レス) id: 069fc92e8a (このIDを非表示/違反報告)
甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - ハッ!?好きです!!!!!!更新頑張ってください! (2021年3月8日 17時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
夜霧(プロフ) - ましゅふわさん» ありがとうございます(´∀`)頑張って更新していきますので、よろしくお願いします! (2021年3月3日 8時) (レス) id: 069fc92e8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yagiri | 作成日時:2021年2月27日 12時