醜い天使【HP】 (ページ14)

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『会いたいよぉ…』

すると、見たことのないヨボヨボの梟がスーッとAの部屋に入ってきた。

手紙を受け取って送り主の名前を見ると、驚きで手紙を落としてしまいそうになった。
今まさにAが求めている二人の名前があったからだ。

夢中で開くと、二つのよく似た文字が代わる代わる並んでいた。

Aへ

やぁ、元気？また母さんに嫌なことされたりしてないか？
心配すぎて、昨日の今日なのに気づいたら手紙書いてた。何かあったらすぐ言えよ！
何もなくてもAがくれる手紙なら嬉しいけど。
昨日は無事に帰れた？心配で心配で、俺もフレッドも眠れなかったぜ。
親父がAと話したがってた。でも、若い子に(それも名家のお嬢様に)手紙を送るのは気が引けるんだとよ。
それと、この手紙を届けてくれたであろう梟(エロールって言うんだ)、老いぼれでヨボヨボだから、申し訳ないけど何か食わせてやってくれ。
じゃあな俺らの姫、A！

フレッド・ウィーズリーとジョージ・ウィーズリーより

『お前らの姫になった覚えはないけどな。』

自然と、笑顔になっていた。
別に会ったりしたわけじゃないのに。
特別長い文でも、延々と愛を綴った文でもないのに。

やっぱりこの人達が悪人なわけない、と確信できた。
なんなら私を洗脳してるのは両親の方じゃないか。

そう考えたらさっきよりも幾分か気が和らいだ。

Aはやっと顔を上げ、棚に並んでいる瓶の中からナッツ類の入った物を選び取って何粒か取り出し、エロールの口元に運んだ。

それはあっという間にエロールの胃の中に消えて行ったが、まだ物欲しそうな顔をしていたから、小さな器に入れて近くに置いてやった。

彼(彼女かな？)がそれを食べている間に机の引き出しから青い花をモチーフにした上品な便箋を取り出すと、先程の出来事や心境をまとめ、最後に二人の手紙を真似て“じゃあね僕の王子様、フレッド、ジョージ！”と付け加えて、来た時よりも大分元気になったエロールに手紙を持たせた。
エロールは少しだけ名残惜しそうに飛び立っていった。

Aから帰ってきた返事を見て、可哀想に。今すぐ迎えに行ってやれたらどんなにいいだろう、と気持ちを落ち込ませた双子だったが、最後の一行を見て笑顔が戻った。

「「か、可愛い…」」

「さすが俺らの姫」