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Aの父親は魔法省勤めで朝は早く、かと言って夜が早いわけでもなく、家で会うことは滅多になかった。
それなのに今朝起きて一番にAに「おはよう」と言葉をかけたのが父親だったから驚いていた。
母親もだいぶひんまがった根性をしているが、時と場合によってはそれを超えてくるような父親も好けるはずがなかった。いずれにせよ根性がひん曲がっていることに変わりはないが。
『アー、お、お父様、珍しいわね。』
無言の圧に耐えきれず、必死になって当たり障りのない言葉を絞り出す。
「…あぁ。今日は休みをとったからな。そういえば、ホグワーツへの入学が決まったらしいじゃないか。おめでとう。これは私からの入学祝いだ。」
彼は足元にあった大きな箱をテーブルに置く。
今日は機嫌がいいんだな、なんて思いながらサプライズのプレゼントに弱いAはついつい目を輝かせてしまう。開けてもいい?と聞くと、父親が頷くのとほぼ同時に箱を開ける。
中には、鳥籠に入った小さな純白の梟が入っていた。
今までは手紙を出す時も家の梟を使っていたから、とても嬉しかった。
『ありがとうお父様!大切にするわ!』
父親は優しく微笑んだ。
Aは、ああ、ずっとこうだったらいいのに。と父親に微笑み返しながら思った。
その後間もなく母親が起きてきて
「あら、二人とももう起きてたのね。今朝食を作るから少し待っていて頂戴」
と言い、いそいそとキッチンへ向かった。
10分も経たないうちに料理が机に運ばれてきたので、母親が席に着くのを待ってから食べ始めた。
食事中にマグルの悪口やマグル生まれを否定するような事を言うから、いつものことだけど胸糞悪かった。
そして母親が昨日の出来事を父親に話し、遂にウィーズリー家の人達を貶し始めたから思わず立ち上がってしまった。
「どうしたのA?」
私たちは何も悪いことしてないのに、と言わんばかりの顔でそう言うものだからもう我慢なんてしていられなかった。
『あの人達を悪く言うのはやめて!』
気づけばそんな事を叫んでいた。
「いいかいA。マグルとは穢らわしいものなんだ。何年もそう教えてきただろう?」
マグルは穢らわしくなんてない。素晴らしい人達だ。
魔法が使えるか使えないか。たったそれだけの違いなのに。
マグルは時に私たちを遥かに超えるものを作るじゃないか。根本は同じなのに。
それに、ウィーズリー家は純血の家系だ。
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えすかるご(プロフ) - じゃーん、えっちふんさん» ありがとうございます!励みになります!新しいスマホ買ったのでもうすぐ更新できると思います! (2023年3月12日 19時) (レス) id: 9e09c78e30 (このIDを非表示/違反報告)
じゃーん、えっちふん(プロフ) - 続きを....続きをお恵みください... (2023年3月9日 0時) (レス) @page28 id: 1b7c50ba33 (このIDを非表示/違反報告)
えすかるご - おるごぜんまいさん» ありがとうございます!嬉しすぎて全米泣きました!リア友しか勝たん… (2022年8月2日 8時) (レス) id: 162856ebad (このIDを非表示/違反報告)
おるごぜんまい(プロフ) - お父さんめっちゃいい人やん!めっちゃ続き気になります!頑張ってください! (2022年8月1日 22時) (レス) @page8 id: b3d00b40ee (このIDを非表示/違反報告)
ニコラスキャラメル - いつになった双子がでてくるんですかぁ??? (2022年7月29日 18時) (レス) @page3 id: 638fd3d96b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えすかるご | 作成日時:2022年7月28日 0時