今世 甘い匂い? ページ42
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『 なんでこうなったんだろう??』
色々あって固まっている恵と熱々のカレーが腕にかかり大泣きしている津美紀。
そして救急箱を慌てて探してる李。
──時は遡ること数時間前
「 そう、なの…………なら私は行くわ。それじゃあね津美紀」
『 え?津美紀ちゃんのこと置いてくの??』
「うん…………分かった…………」
私がここにいるあらましを大体話した後、1人納得して出ていった名前も知らない甚爾の結婚相手?の女。
「 これからお世話になります 」
『 え、えぇ……う〜ん、ここは私の家じゃないからなあ。とりあえず家の主に許可を取るまで私のお家においで 』
こくんと素直そうに頷く津美紀と名乗った少女。
「………………」
『 ふふ、ソワソワしてるね。そんなに珍しいものでも置いてあったかな?』
「 あ、すみません!」
『 大丈夫。別に怒ってる訳じゃないの』
最近のと言うか、現代の子供はしっかりしすぎだなあと腰を90度に曲げる目の前の少女を見て思う。
「 なんか特殊な匂いのするお部屋だな、て思いま……あ、臭いって訳じゃないんです!!なんか苦甘い?匂いみたいな、あ、あの、」
『 んふ、ふふ……ああ、ごめんね、津美紀ちゃんの反応が可愛くて意地悪しちゃったの』
臭いって言いたい訳じゃないのは分かってたけど、私が傷ついた顔をすると焦り始める目の前の少女の反応が珍しくてつい意地悪してしまった。
普段あんまり驚いたりしない無駄に大人っぽい恵とか、私の冗談にも全部ガチで反応する李にはこんな意地悪出来ないから許して欲しい。
『 私が吸ってるこれのせいだと思う』
机の上に置いてある煙管を指さす。
「 それは?」
『 う〜ん、現代で言う煙草の退化版?元型?って言うのかな』
「 み、未成年で煙草なんて体に悪いですよ!」
『 フッフッフ……実は私の中身が1000年以上生きてるおばあちゃん、でもかな?』
「 え、えぇ 」
アワアワしてる。弄りがいのある子だなあ。
『 ほら、今なら煙草が入ってないから嗅いでも体に害はないよ』
「 ほ、ほんとだ……でも甘い匂いって訳じゃないですね 」
さっきから甘い匂いって言ってるけど私にはこの部屋のどこが甘い匂いなのか全然分からなかった。
── ガチャ
『 あぁ、恵が帰ってきたのかな?一緒に行こっか津美紀ちゃん』
「 はい!」
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武藤で無糖(プロフ) - みくさん» ヒョエーーー!そう思って頂けて嬉しい限りです。コメント凄いモチベになります!ありがとうございます߹ᯅ߹ (2022年11月8日 14時) (レス) @page28 id: 6b6a37760c (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - ヤバい...物語の進み方が好きすぎる...設定が好き....面白すぎます!夢主ちゃんのこういう感じ、めっちゃ好きです!! (2022年11月7日 20時) (レス) @page7 id: c22457a4d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:武藤で無糖 | 作成日時:2022年10月23日 15時