お人形さんにトラブル発生 ページ22
『……はい、もしもし』
「あ、先輩。突然すみません」
昼過ぎ、監督生は早速電話をかけてみた。Aはいつもどおりの調子のようだ。
「今どうしてるかなって」
『普段どおりですよ。今は、少々登山を…』
「登山って……嫌いって言ってませんでした？」
『まぁ、その、自分探しと言うか、見つめ直そうかと思いまして』
意外だ。Aは割と芯の強い人間だと思っていたから、自分探しなんてものをしなさそうなのに。
しかも、その方法が自分の嫌いな登山とは、さらに驚きだった。
「どなたとお話しなさっているんですか？」
「うわああ！！？？」
『……』
ぬるり、と監督生の背後からジェイドが現れた。
監督生は、Aのところに絶対来るジェイドに少々引きつつ「ジェイド先輩」と声をかけた。
Aは変わらず、ノーリアクション。
「登山ですか、いいですね」
『いや……案外そんなに良くは……』
「先輩、どこの山にいるんですか？ お家の近く？」
そうですね、と、Aは言った。
ぱら、と、地面が崩れ始めていることにも気付かずに。
『家の裏にある山─────ガシャンッ───ガッ────うぁっ────……』
ツーツー、と無機質に繰り返される通話終了の音。
しばらく、二人は何が起きたか理解出来なかった。
先に冷静さを取り戻したのは、監督生の方だ。
もう一度、Aへの連絡を試みた。が、案の定スマホには出ない。
考えられるのは、足を滑らせて転落。気絶したか、あるいはスマホが壊れたか。
とにかく、Aがピンチなのは明白だ。
「ジェイド先輩、職員室行きましょう。鏡の間を開けてもらわないと！！」
「ですが、教師はいないのでは」
「サンダルフォン先生がまだいたはずです！ 国連に行くのは明日だったはず……」
××××××××××
「鏡の間の開放許可と外出許可？ またなんでそんなものを」
「緊急なんです！ A先輩が！！」
「お願いします」
「そう言われてもな……今から人形の国に行くと、真っ暗だ。リーチはともかく、監督生は……」
はあ、と、サンダルフォンは溜め息をついた。
教師としては、安全面を考慮するべきだ。Aの方は警察を頼ることも出来る。しかし、二人の真剣な顔を見ると、手伝ってやりたいとも思う。
「……監督生は許可出来ない。魔法が使えないし、女子だからな。だが……」
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ユノ - イラスト見ましたとてもかわいいかったです (2021年2月11日 20時) (
レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
夢石榴(プロフ) - ユノさん» リクエスト(？)ありがとうございます！がっつり自分絵ですが載せてみました。イメージ通りでしたか？ (2021年2月7日 20時) (レス) id: e829fc57fc (このIDを非表示/違反報告)
ユノ - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2021年2月7日 14時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
夢石榴(プロフ) - 星飼いさん» 鈍感系女子大好きなんじゃ。頑張ります！ (2020年12月23日 20時) (レス) id: e829fc57fc (このIDを非表示/違反報告)
星飼い(プロフ) - 夢石榴ちゃんの書く鈍感系が好きなんじゃ。頑張れ！ (2020年12月23日 20時) (レス) id: 95c1335c47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢石榴 | 作成日時：2020年12月8日 20時
