【ツイステ】お人形さんは彼が嫌い

お人形さんと彼の出会い ページ15

彼女は、グラジオラスというらしい。

ボードゲーム部、映画研究会に所属(兼部しているらしい)していて、文武両道、成績優秀、容姿端麗。
優しくて明るくて、品行方正。人当たりもよく、しっかりしているが砕けたところもあって、みんなの人気者。

完璧美人とは、彼女の為にあるのだと思った。
これだけの褒め言葉を並べたって、彼女を表すには足りない。

たった数日、学園生活を送っただけだが、彼女はAの目標だった。


そして、今日は部活見学の日だ。
見学などせずとも、Aは映画研究会に入るつもりだった。
ボードゲームはよくわからないけれど、映画ならよく見るし、裏方くらいならできるであろうと、そう思った。


「危ない！！」

「えっ」


ガン！と、頭に衝撃がくる。

ああ…、ここ…、マジフトの練習場、だったっけ…。

一応、部活見学に来ていたマジフト部。
まさかディスクが当たるなんて、思っていなかった。
誰かが身体を支えてくれた気がしたけれど、その誰かを見ることなく、Aは意識を失ってしまった。









目が覚めたのは、カラスが鳴いている夕方。
医務室のふかふかベッド。そこにAは横たわっていた。
しばらくぼーっとしていたが、地平線に沈む太陽に、はっと気づく。



───見学に行けてない！！



部活希望の紙は、明日の朝が期限。
しかも、その紙には部長のサインが必須なのだ。


「とても、まずい」

「なにがまずいのでしょうか？」

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