昼想夜夢 【短編集】

Lovers / Hayato.S （G6） ページ3

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「ねえ、A。また彼氏女の人と歩いてるの見たけどほんとに平気なの？別れたほうがいいよ」


『んー、平気だよ。心配してくれてありがとね』





なんて自分のことかのように悲しい表情をして言ってくれる友人に対して安心させるように微笑んで見せる。


勇人さんの浮気癖は今に始まったことじゃない。最初はもちろん驚きと悲しみで感情がぐちゃぐちゃになった日もあった。だが今は、どうせあの人は私の元へ帰ってくる。そう謎の自信があった。





『勇人さん今日も飲みに行くの？』


「うんー。遅くなるかもしれんから先寝とってええよ」





そう言い私の頭を優しく撫でていつもの私が大好きな笑顔を見せてくるもんだから今まで感じてた不安すらもどうでもよくなってしまう。






『勇人さん』


「ん？」





”お願い、そばにいて" ”私のことを見ていてほしい"なんて想いを込めて私は自分より遥かに背が高い勇人さんに届くように背伸びをしキスをし、彼は優しく微笑んで頬を撫でてくれた。





「じゃあ行ってくるな」


『いってらっしゃい』





玄関が閉まりさっきまであった温もりはもうない。だけど結局また勇人さんはこの家に帰ってくる。私の元に。


簡単に離れられてしまうくらいなら、浮気して余所見してくれたほうがいい。でも最後の最後には私の元へ帰ってきてね。





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Lovers / sumika

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