【文スト】公園に佇む番外編さん【中原中也】

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「……あー、くそっ。血ぃ流しすぎたか……」

やけにボンヤリとしている頭。

敵の殲滅の仕事で、予想外の異能者の強敵が現れ、最終的には敵共々生き残ったのは俺一人。

しかし、自分もそろそろ意識を失う寸前なところに行っている。

せめて首領に報告だけでも、と震える手で携帯を探る。

すると電話の着信音が聞こえ、勝手に首領だろうと通話ボタンを押せば聞こえて来たのは太宰の声だった。


ふざけたような話し方に返そうとすれば、喉の奥から咳が込み上げてきて言いきれないまま酷く咳き込んでしまう。

そして最後は血を吐いた。

……あー、そろそろ意識が朦朧としてきた。

吐いた血にまみれてしまった手をぼんやりと眺めながらそう考える。


耳から話していた携帯からは太宰の声がうっすらと聞こえていたが、適当に言って電話を切った。

ずっと降り続いている雨が血を流し、止まることがない。



何もする気が起きずにボーとただ前を見続けた。



嗚呼、死ぬのかな。やっぱり。

ここが俺の死に場所なのか。


狭い路地裏でぼんやりと考える。



このまま死んだら会えるだろうか。

許してくれるだろうか。


でもあいつのことだ。

雨に濡れた今の俺をいつかのように「風邪ひくよ」と困ったように笑うだろう。


そういえば、今思えばA会うときのキッカケっていうのは雨だったか。

初めてあった時も、ポートマフィアに入ってから再び再開した時も、雨だった。


そんな偶然に気付いてふっと笑いがこみ上げる。

そのまま重力に従って瞼が降りてきた。


嗚呼、やっと……。





_____ほら、あんまり雨に濡れてしまうと風邪引いちゃうよ。

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