天界からの救世主14【暗殺教室】

霧矢、解毒剤 ページ7

その後、烏間先生が呼んだヘリが到着し、殺し屋が拘束され乗せられていく。

　
ヘリに乗る直前、スモッグが「あっ」と急ぐようにしてAのもとに駆け寄った。
防衛省の人が止めようと手を伸ばすが、それをAはやめさせるよう、言った。


ス「危ない危ない。そのまま帰るところだった。おい、霧矢、、て言ったか。ほら、これやるよ」


スモッグがそう言いながらAに渡したのは、小さな小瓶。なかには、なにやら禍々しい色をした液体が入っていた。


『いらねーよ』

ス「いや、それはさ、もう十分お前の身体を見ればわかるんだよ、な？」

『じゃ、要らねーってことで』

ス「あとから何かあった時に俺責任取りたくねーからさ。おじさんの為に飲んでくれよ」


スモッグに押し付けに会ったAはため息を付きながら仕方なく小瓶を上取り、その場で飲み干すことに。


業「…あれ、漸くん何飲んでるの？」

『……解毒剤』


それを厄介な人物に見られてしまうAは恐らく、運がないのであろう。


業「…え、でもあいつらに盛った奴は食中毒の改良版だから要らない、、って、」

『スモッグ、お前の所為だからな』


Aは妙に賢い彼に言い訳をするのも億劫になってしまった。
スモッグを睨み付けてからAは業に本当のことを話す。


『あいつらに盛られていたのは、食中毒の改良版だ。


でも、俺に盛られていたのは正真正銘、鷹岡がスモッグに命令して作らせた猛毒のウイルス。
俺の推理からすると、スモッグは鷹岡に見張られながら俺のトロピカルジュースにウイルスを入れたと考える』

ス「…正解だ。何故分かった？」

『皆のジュースのグラスに比べ、俺のグラスは結露が少なかった。
なぜなら温度差のあるジュースとグラスによって一旦結露して、グラスとジュースの温度差が同じになってきた、、つまり、ジュースがぬるくなるということだな。
しかし、提供するときにぬるいとまずアウトだから冷蔵庫にでも仕舞っていたんだろう。そこでは、グラスとジュースの温度差がなくなるので結露は冷蔵庫から取り出した時にでる少しの結露だけ、、、、という推理だ。

なにか、違ったか？』

ス「…はは、すごいな。完敗だよ」


スモッグは笑いながら両手を上げた。しかし、穏やかな表情なのは、スモッグとAだけであって、隣にいる業は、驚愕したような、焦っている様な、そんな表情をしていた。






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