観覧車。中也と天界長のすれ違いと共に。番外編 ページ48
中「…別に恨んじゃいねェよ」
中也はほポツリと声を出した
『……は…』
Aはバッと頭を上げ、中也の顔を見た
『な、んで……』
中「確かに俺には幼少期がねェ。荒覇吐から出てきたのは7歳になった俺だ……まァ…本当にその時俺が7歳だったか、と聞かれたら困るが…」
正確な人生を歩んでいない中也は己の年が正確に分からない
今だって本当に22歳なのか。
誰も分からない
中「それでも、俺には一時的でもいい!!一時的なものでも!!“羊”という仲間が出来た!!!!」
Aは中也の強い言葉にハッとした
行く宛もない、親も
中「時々思うことがある。“俺が荒覇吐として生まれたのではなく、一般の家庭に生まれ、幸せに暮らしていたらこの
『でも…それは……』
Aは言葉に詰まる
今中也が忠誠を誓っているのはあくまで裏社会
一般の家庭で育っていたのなら裏社会すら知らないのでは…?
中「俺の異能力は強力だ」
『お、おォ…?』
中也が行成自身の異能力を自慢した
中「そんな異能力者をポートマフィアがほってくと思うか」
『!』
中也が言いたい事はつまり、「遅かれ早かれ、一般の家庭で育ったとしてもポートマフィアはそんな異能力者をいつか取り込んでいた」という事だ
中「一般の家庭だったらポートマフィアは俺を連れていくなら何でもするだろう。親を殺してでも、な」
『……』
マフィアとは、そういうものだ
組織を維持していくため、成長させていく為にどんな犠牲を払っても進み続ける
それがどんなに善人であっても、必要な犠牲には組込まれてしまう
中「親がいて、ポートマフィアに殺されて悲しむよりか……元からいなかった方が良かったのかもしれない」
『それは違う!!!!!!!!』
中「っ!」ビクッ
Aは叫んだ
『そんなことを言うな!!!!俺は!!!!お前に普通の家庭で育って欲しかったんだ!!!!』
Aは泣きそうな声で、
泣きそうな表情で
叫んだ
『そんなこと言わないでくれ給え……』
震える声で、
乞うように、
膝の上の拳を細かく震えさせながら、
言ったのだった
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リートゥ(プロフ) - 瑠花さん» ありがとうございます笑なんでレイジャントが入ってくるんだ…笑笑修正させていただきます!ありがとうございます!! (2022年4月7日 2時) (レス) @page38 id: 757a32c185 (このIDを非表示/違反報告)
瑠花 - すみません、読み返してると気付いたんですが「お前ェェ!!!!ロリコン!!!!ロリコン!!!!哀は可愛いって言うより綺麗系だよな 」の一行目、レイジャントじゃなくてチチェリスではないでしょうか?細かいところをすみません😓 (2022年4月5日 15時) (レス) @page38 id: 84d5eb71dc (このIDを非表示/違反報告)
リートゥ(プロフ) - ルイさん» ありがとうございます!少し文ストが出てない気がするのでこれからも頑張りたいです!応援よろしくお願いします! (2019年8月14日 23時) (レス) id: ae51143ba2 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - とても面白いお話でした。 感動しました。 更新がんばって下さい。 (2019年8月14日 21時) (レス) id: fba554419c (このIDを非表示/違反報告)
リートゥ(プロフ) - 棒キャンディさん» 好物!それは良かったです!実は私も……笑更新頑張りますので見てってくださいね! (2019年7月31日 13時) (レス) id: ae51143ba2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リートゥ | 作成日時:2019年7月14日 23時