源氏の兄の旦那様

鬼になっちゃうよ ページ29

side髭切

この日はね、主が鍛刀した新しい刀剣男士が来たんだ。短刀の謙信景光..あの子ね

謙信「ぼくはつよいこなのだ！」

『はっはっは..愛いなぁ』

Aは小さい子が好きだから
彼にめろめろ？でれでれ？わからないけど
ともかく彼に甘かった

『どれ謙信景光。ちこうよれ。菓子をやろう。それとも俺と遊ぶか？』

謙信「...おかしなんていらないぞ！ぼくはつよいこなのだ！」

『はっはっは、そうかそうか。ではどら焼きは要らぬか？栗入りだぞ？』

謙信「うっ..」

ニコニコと笑って困ってる謙信景光を見ている

謙信「そ、そこまでいうなら、もらってもいいぞ」

『あっはっはっは』

Aは嬉しそうに笑って彼の頭を撫でる
...うーん..胸が、ちくちくするなぁ

膝丸「兄者？どうしたのだ？」

「えっ...？」

膝丸「全然おやつを食べていないが、何処か悪いのか？主に見てもらった方が..」

「あ、あぁ..」

そう言えば手元にはおやつが
ほとんど手をつけない状態で残ってる

「...食欲が無くて..」

膝丸「な、なんだと！？熱か...？」

膝丸は僕の額を合わせて熱を測る
僕は大丈夫だと言うのに、中々離さなかった

「膝丸...僕は大丈夫だって」

膝丸「だが兄者！」

「...大丈夫だから」

もうここに居たくない
Aが他の刀と楽しそうにしてるのが嫌だ
たとえ短刀でも...何か、嫌なんだ

これが何かは分からないけれど
このまま此処に居たら...鬼になっちゃいそう

僕は無理矢理膝丸から離れて広間を出る

『髭切...？』

Aの声が聞こえたけど無視した
今振り返っても..Aは謙信景光と仲良くしてる事はわかってるから




嫉妬とか...しないと思ってたんだけどなぁ
.....胸が痛いや..









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sideA

謙信景光を撫で回してたら
髭切がおやつにほとんど手をつけずに広間から
出ていった

膝丸「兄者！」

膝丸が慌てて追おうとしたので、俺は謙信景光を
膝から下ろし立ち上がる

『俺が行く』

膝丸の肩に手を置き、俺は髭切の後を追った









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─────

広間を出て廊下を走る

『髭切！』

俺が髭切を見つけたのは、東廊下から見える
木の上だった

彼奴は俺の声に気づき慌てたのか
木から落ちそうになり身体をふらつかせる

『ば、馬鹿！』

俺は廊下から飛び出して急いで走った
それとほぼ同時に木から転けた髭切


『っ..』


俺は必死に手を伸ばし
髭切の身体を受け止めた

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