源氏の兄の旦那様

騙されやすい ページ12

side髭切

酒宴は楽しいねぇ
今日の酒宴は雑魚座りで皆好きに呑んでいる

僕の周りには何時もの面子
だけど、他の刀も来ていたよ

次郎「それで、最近はどうなのさ」

「何がかなぁ」

次郎太刀が酒瓶を持って僕の所に来る
表情からして、何の事かはわかるけどね

次郎「意地悪だねぇ...旦那様といい加減仲直りしたらどうだい」

ニヤニヤとして聞いてくる彼の周りも興味津々に
聞いていた

「...んー」

さぁどうするかと考えていたら
大広間の外から騒がしい足音が聞こえる

...起きちゃったのか
それとも..誰かが起こしたのかなぁ

まぁとりあえず

「それなら、答えが来たよ」

「「えっ」」

猪口を持たない手で襖の向こうを指させば



『髭切！』



涙目のAが入って来た
...ん？.....なんで涙目？

「どうしたのさ」

僕の所まで来るAに問いかける

『お前..主に襲われたとは真か！？』

「は？」

必死の形相で僕の肩を掴み聞いてくるAに
僕は眉を顰めた

『あのうつけ者は何処だ！！』

「お、落ち着いて..A」

『落ち着いてられるか！湯浴み時に襲われたと聞いたぞ！！俺がたたっ斬ってくれるわ！』

待って、めちゃくちゃ皆が見てるから
そして主は僕に何もしてない

「いや、主は何も」

『あの野郎...人の番に手を出すとは..良い度胸だな』

「あの...」

『くそっ..苛々する』

顔見れば分かるよ
というか、そんな事誰から聞いたの

「それ、誰から聞いたのさ」

『そんな事はどうでも良かろう！...乱藤四郎だ！』

「...」

あの子、侮れないなぁ

「それは嘘だよA」

とりあえず落ち着ける為に言いかけるとAは
眉を顰め僕を見下ろす

『は？』

「だから嘘。僕は湯浴みはまだしてないし、ずっと此処にいたよ。ねぇ？」

燭台切「えっ、あぁ、うん」

次郎太刀「仲直りしたんだ..」

周りにいた皆に問いかける

『なっ...なんだと』

「僕は襲われてないし...そもそも、そんな事されようものなら斬って逃げるから」

『しかし..乱藤四郎が』

「あぁ..それは分からないけど、僕はキミ以外に身体を預けたりしないよ」

『...』

「A？」

固まったAを不思議に思って顔を覗き込めば

『...死にたい..』

顔を真っ赤にして、初めて会った時と同じ言葉を
呟いた









一期一振「乱ぇぇぇ！」

って声が聞こえたのは気の所為かな？

甘い甘い飴の味→←小さい心配

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