第203話 もう一つのノート ページ4
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イプシロンとの戦いを終えて、雷門イレブンが次に向かう先は福岡の陽花戸中に決まった。なんでもそこに、円堂の祖父である円堂大介が遺したノートがあるという。
「じいちゃんのもう一つのノートを手に入れるぞ！」
「おーっ！」
「なんやようわからへんけど、ノートや！」
みんなの声の後に元気よく声を上げたのはリカだ。一之瀬な隣に座っている。
「……っていうか、なんであなたが……？」
「ええやん！うちとダーリンは一心同体や！切っても切れへん仲やねんから〜！」
そう言って擦り寄ってくるリカに、一之瀬は苦笑いしている。
「いいじゃないか！仲間が増えて！」
「せやせや！さすがキャプテンは言うこと違うわ！」
円堂の明るい言葉に、秋はため息を吐いた。
賑やかなキャラバンの中で、Aはうとうとしていた。ここのところずっと、テントを抜け出して夜中にあのトレーニングマシンで特訓していたため、寝不足だった。
「Aちゃん、大丈夫？」
「え……あ、ああ！」
隣の吹雪が眠そうなAを見て声をかけると、Aは慌てて顔を上げ、頷いた。
吹雪はそっか、と微笑んでまた前を向いたが、どこか元気がない。イプシロン戦でデザームにシュートを止められたことが、まだ気がかりなのかもしれない。吹雪のことを心配に思いながら、Aは窓の外を眺めた。
─────
キャラバンが踏切を超えた先の商店街に出ると、みんなは窓の外を眺めた。
「なんか初めて来たのに、懐かしい感じの街だね」
「そろそろつくぞ。陽花戸中だ」
キャラバンが陽花戸中に到着すると、円堂が降りて、陽花戸中の校長と話を始めた。
円堂、瞳子監督、そして、父親が校長と知り合いだという夏未の三人は、校長室にノートの話を聞きに向かった。
三人が話を終えて戻ると、陽花戸中のサッカー部が、雷門イレブンに挨拶をしに来てくれた。
「俺は陽花戸中キャプテンの戸田。君たちの活躍はよく知ってる。俺達みんな、君らのファンさ！」
陽花戸中キャプテンの戸田が気さくに笑ってそう言うと、円堂は照れ臭そうに顔を赤らめた。
「そんな、ファンだなんて……」
「よろしく頼むよ！」
「ありがとう！みんな、よろしくな！」
戸田と円堂が握手をし、他の陽花戸中メンバーも円堂に挨拶をした。
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作者名：無名 | 作成日時：2022年10月5日 10時
