星に願いを ページ29
その日の夜は、眩い満天の星々が地面を照らすほどに美しい星空の夜だった。
私達兄妹は、それぞれ自分達の為に刀鍛冶に打ってもらった日輪刀を携えて任務へと発った。
私が目を覚ました時、なんと兄様方もすうすうと寝息をたてて休息しておられた。
すぐに目を覚まされたが。
「食事と適度な休息はきちんと摂れよ」
今回のお咎めは、たったそれだけ。
私がぽかん、としている間に、兄様方はさっさと何処かへ出て行ってしまわれた。
もう二度とこの様な迷惑をかけない為にも、たらふく食べてきた。
そして今夜は、情報が全く無い任務である。
いつ、どこに鬼が現れても、すぐその場所に駆け付けて鬼を斬らなければならない。
誰だって、簡単では無いその技によって命を救われているのだ。私がまさにそうだった。
私も誰かの命を、人生を、守れる様になれただろうか。
そんな事を考える暇に、鬼出現の伝達を聞いた。
今日倒した鬼の数は、九体。
あちこちで鬼が出るものだから、常に走り回っていなければならない。
しかし、こんなものでは、まだまだ未熟だ。
無能な鬼をいくら倒したところで、他にも異能の鬼に脅かされている人が、今この瞬間にも、助けを求めているかもしれないのだから。
そして……。
「また逢えたな、女よ」
あの、男の鬼が肩から上だけになりながらも言った。
しかしこれでは、すぐに再生する。
「驚いたぞ。まさかお前が、本当に日輪の刀を手にしていようとは」
次はしくじっていられない。
的確に、弱いところを狙って斬らなければ……!
「わざわざ私の所に来てくれてありがとう。
で、私なんかに何の用があるのです?
私が女で弱いから、それにつけて狙って来たの?」
私は斬りかかりながらも、男に問いかけた。
「随分と余裕があるのだな。この間は運良く逃げおおせた様だが、今回はどうなっても知らぬぞ」
それを聞いて、思わず笑いがこみ上げてきた。
「ぷっ、あっはははははっ!!
貴方、一体何を言っているの?
最終、逃げたのはそちらの方でしょう?!
私がたまたま、鬼狩り様と落ち合えたから!」
私が会得出来たのは、結局縁壱兄上の呼吸ではなくその派生であった。
しかし、巌勝兄様がご自身の手で派生の呼吸を磨き上げておられるところを見ると、これは個性であるともいえる。
私は、信じる。自分を信じる。
今こそ、兄様方のご恩に報いる時がきた!!
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藤葛(プロフ) - レモンティーさん» ありがとうございます! 自粛開けもちまちまと更新していきますのでこれからもどうぞよろしくお願いします(*^^*) (2020年5月30日 21時) (レス) id: 3bacfd04fc (このIDを非表示/違反報告)
レモンティー - この作品大好きです!!なんせ緑壱さんが推しなもので…(´∀`*)更新頑張って下さい!! (2020年5月30日 21時) (レス) id: 0820e3db89 (このIDを非表示/違反報告)
藤葛(プロフ) - 澪さん» わああ……ありがとうございます!めちゃめちゃ嬉しいです!!とても励みになります……頑張りますのでどうぞよろしくお願いします!! (2020年5月20日 7時) (レス) id: 3bacfd04fc (このIDを非表示/違反報告)
澪 - すごく好きです継国兄弟…こういう設定のもの大好きです…いいものを見させていただきました…ありがとうございます…!!頑張ってください!応援してます! (2020年5月20日 3時) (レス) id: c921836d0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤葛 | 作成日時:2020年5月17日 4時