解せぬ……51 ページ23
貴方side
分かっていた。
ただいい顔をして無理して相手の要望だけ聞く関係が友達ではないと。
けど、数少ない友達を減らしたくなかった。
放課に本を読んでひっそり暮らすあの惨めさをもう感じたくなかった。
｢あのさ、君の友達は椎名さんだけじゃないでしょ？｣
『……え？』
｢だから！ 僕らが居るでしょ！｣
珍しく大きな声を出す月島くん。
ハッと我に返った彼は先程自身が言った言葉を思い出して耳を少し赤くする。
呆然とする私に忠くんは
｢……うん、ツッキーの言う通りだよ｣
｢だって、俺ら友達でしょ？｣
と私に笑いかけた。
｢そーだぞ！ その子の為にAが我慢することないって！｣
｢咲音はもっと自分を大切にしろ｣
｢優しいのはAの良いとこだけど、もっと自分の事も考えなきゃ！｣
それまで口を開かなかった翔陽くんや影山くん、仁花も月島くんと忠くんの言葉に賛同する。
(あったかい……)
じわぁ、と感じる皆の優しさに、情けないながらもぼろぼろと涙をこぼしてしまうのだった。
ーーー
｢もう大丈夫？｣
『ご、ごめん……情けないよね……』
ぐす、と鼻を鳴らしつつおさまりつつある涙を持参しているハンカチで優しく拭う。
跡が残らないか心配だが、きっと何とかなるだろう。
隣で背中をさすってくれた仁花は、そんなことないと笑ってみせた。
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冬景色(プロフ) - かめそんさん» 初めまして。応援コメントありがとうございます！お褒めに預かりとても嬉しく思います。これからも精進いたします！ (2020年5月12日 7時) (
レス) id: e83ba022d2 (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - 初コメ失礼します。とても面白くて続きが気になります！更新頑張って下さい！！ (2020年5月12日 4時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬景色 | 作成日時：2020年5月9日 8時
