解せぬ……47 ページ19
貴方side
「事故だったとはいえ、俺のせいで倒れさせて本当にごめん!」
「俺も、もう少し早く気付いてればこんなことにはならなかった」
「主将としての落ち度でもある……、申し訳ない」
急に頭を下げられ、ぎょっとして止めさせようとする私を気にも留めず、続けて言葉を紡ぐ二人。
私が"顔を上げて"と頼めば、案外すんなりと頭を上げてくれた。
『……ええと、私が倒れたのは、寝不足のせいで、流れ弾はそのきっかけだっただけなんです』
『お医者さんは"いつ倒れてもおかしくなかった"と仰ってました』
私がお医者さんに言われたことをそのまま話すと、二人は目を丸くして固まった。
『なので、謝らなくても大丈夫ですよ』
私がへらりと笑ってそう言うと、主将は私の肩をガシリと掴み、
「なんでそんな無茶するんだ!」
と一喝した。
何故私はいきなり怒られているのか分からず顔色を伺うと、主将は眉毛を八の字にしていた。
「皆本当に心配していたんだぞ」
「どんな理由があって倒れるまで夜更かししたのかは分からんが、何かあったなら話してくれてもよかっただろ?」
本当に辛そうに言うものだから、私の良心は痛みに痛んだ。
そういえば、私、誰かに何かを相談したことってあったっけ?
『……すみ、ません……』
「必ずしも一人で抱え込まなきゃいけない訳じゃない、分かるな?」
『はい……』
怒られている理由がなんとなく分かった私は俯きながら返答をする。
すると、頭にポン、と手が置かれる。
「分かったならいいんだ、それじゃあ、俺らはこれで失礼するよ」
「本当にごめんな!」
二人はそう言い、学校へと戻っていった。
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冬景色(プロフ) - かめそんさん» 初めまして。応援コメントありがとうございます!お褒めに預かりとても嬉しく思います。これからも精進いたします! (2020年5月12日 7時) (レス) id: e83ba022d2 (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - 初コメ失礼します。とても面白くて続きが気になります!更新頑張って下さい!! (2020年5月12日 4時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冬景色 | 作成日時:2020年5月9日 8時