解せぬ……48 ページ20
貴方side
「Aちゃん……!」
翌日の朝。
二日ぶりに朝練へ出ると、一番始めに私に気づいたのは潔子先輩だった。
主将からある程度の話は聞いていたらしく、
「無理しないでって言ったのに!」
とぷんすこ怒っていた。
素直に謝ればふわりと抱きしめられ、"大事にならなくてよかった"と言われた。
自分が怒られている立場だというのに、失礼にも怒る姿も美しいと思ってしまったのは秘密である。
「仁花ちゃん今日は遅れるらしいから、少しだけ忙しいけど、無理しないでね?」
『わ、分かりました……』
潔子先輩の圧に少しだけビビりながらも、私は無理のない範囲で仕事を始めた。
ーーー
「死んじゃったかと思ったぁぁあ!!」
『ごめん仁花、でも勝手に殺さないでね』
朝練が終わり、道具の片付けという段階で仁花は遅れて登校してきた。
私を見るなり号泣し始め、先程から抱きついて離れない。
「いや、でもほんとにビックリしたんだからな〜?」
『それは本当にごめんなさい……』
一緒に片付けている菅原先輩にもそう言われ、苦笑しつつも謝罪をする。
皆のそれとない気遣いが、無理のしすぎは良くないと改めて思い知らされる。
『もう倒れないようにするから、一旦仁花離れよう? ね?』
とりあえず、このままでは片付けが出来ないので、仁花に離れて貰うように頼んだ。
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冬景色(プロフ) - かめそんさん» 初めまして。応援コメントありがとうございます!お褒めに預かりとても嬉しく思います。これからも精進いたします! (2020年5月12日 7時) (レス) id: e83ba022d2 (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - 初コメ失礼します。とても面白くて続きが気になります!更新頑張って下さい!! (2020年5月12日 4時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冬景色 | 作成日時:2020年5月9日 8時