解せぬ……49 ページ21
貴方side
『……ねえ、少し相談乗ってもらってもいい?』
お昼休憩、私は少し浮かない顔をして翔陽くん達にそう言ってみる。
「? いいぞ?」
「どうしたの?」
翔陽くんと仁花がそう反応してくれ、他の人を見ても嫌な顔はしていないようだったので、私は話をすることにした。
『実はね__』
ーーー
朝練が終わってからすぐの話だ。
私は一日ぶりの教室に入って、荷物の整理をしてやっと席についた時。
「Aちゃん、昨日は休みだったけど、風邪でも引いてたの? 大丈夫?」
『ああ、うん、そんなとこ』
まりちゃんが私を見るなり近づき、そう体調を気遣ってくれた。
私は心配かけたくなくて、少し言葉を濁す。
私は"そうだ"と倒れる前までに終わらせていた課題を鞄から取りだし、彼女に渡す。
『はい、これ今終わってるやつ』
「わぁ! ありがとう!」
課題を受けとると、まりちゃんは私にありがとうと言って笑いかける。
『流石にそっちの分は終わったでしょ?』
私がそう言うと、彼女は分かりやすく目をそらす。
……まさか、まだ終わってないと?
「ごめん……まだ終わってない……」
『……えぇ……、それは遅すぎるよ……』
「お願い! このままじゃ私単位落としちゃう!!」
私が半ば"この子は駄目だ"と呆れつつ言葉を漏らすと、まりちゃんはまたしても私に手伝ってほしいと言ってきた。
まだ前回頼まれた分も終わっていないというのに、何を言ってるのだろうか。
540人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
冬景色(プロフ) - かめそんさん» 初めまして。応援コメントありがとうございます!お褒めに預かりとても嬉しく思います。これからも精進いたします! (2020年5月12日 7時) (レス) id: e83ba022d2 (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - 初コメ失礼します。とても面白くて続きが気になります!更新頑張って下さい!! (2020年5月12日 4時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:冬景色 | 作成日時:2020年5月9日 8時