皆のためなら心臓なんてくれてやる【wrwrd】【男主】 (ページ28)

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幕間～3～ページ28

？side

なぜどちらか選ばなければならないのだろう。

どちらかなんて彼らには
選べるはずがないのに。

なんて、酷な質問を酷な2択をするのだろう。

｢Aか、国か｣なんて。

彼らにはどちらかなんて
選べるはずがないのに、それでも。

それでも選ばせようとする彼は。

一体何を考えているんだろうね。

魔術師は自分の命は
他の幹部や総統たちのために
使おうとしているだなんて、
あまりにも自己犠牲精神すぎやしないかい？

ねぇ、君ならどんな思いを描くのだろう。

僕は気になるよ。

弟子の一人に話しかける。

？｢ねぇ、アルテ。
人とはやはり、不思議なものだねぇ｣

のほほんとした声だ。

アルテは不思議がる。

ｱﾙﾃ｢師匠……？
どういうことですか？｣

師匠と呼ばれた人は苦笑いを
浮かべたような顔をして答える。

師匠(?)｢僕も弟子のことを全然
わかっていなかったってことだよ。
アルテ。君の義理の兄のAのこと。｣

アルテはため息をつき、
答える。

ｱﾙﾃ｢……僕だって、
師匠のこともA兄様のことも。
わからないことだらけですよ。

わかることは、

貴方は最も魔術師らしく。

怠惰であり、

A兄様は魔術師なのに人らしく

勤勉なのですよ。

ハルチオ様。

ハルチオ様、
貴方様は知りすぎなのですよ。

人は自分の出来る力で
もがき生きるものなのですよ。

それが、例え魔術師だとしても。｣

人間味のあるAと魔術師らしい
ハルチオは違うとため息混じりに答える
アルテにハルチオはクスリと笑う。

ﾊﾙﾁｵ｢言うようになったねぇアルテも。

でも、弟子を失うのは

僕はとても悲しいよ。

あの子は僕よりも可能性を持っていたのに。｣

アルテはクスクスと笑いだした。
だがその後に少し悲しそうな顔をする。

弟子を失うのはやはり
言葉の通り悲しいようだ。

ｱﾙﾃ｢……A兄様の最後は

せめて、

せめても、人間らしく

終わらせてあげましょう。師匠。｣

アルテは泣きだしそうな顔で笑う。

そのアルテを軽くだが優しく頭を
撫でるハルチオ。

ﾊﾙﾁｵ｢あの子が望むなら。

あの子の望む終わりにしてあげようか。｣

ね、アルテ。
と、ハルチオはアルテを見る。

アルテは、勿論です。と言うように
水晶玉を見守る。

そこには奮闘する

彼、Aが映っていた。