青き月光の下で2［妖怪ウォッチシャドウサイド］

62話 ページ21

書き込みの内容によると、顔さけ女は長いコートを着て、長い黒髪をしているらしく出会ってしまったら必ず彼女はこう言うらしい。

『 私…キレイ？ 』

と、言いながら髪をかきあげると、その顔は縦に真っ二つに裂けてい…


ウィスパー、怜奈「ぁあああぁあああ！！！？」

書き込みを読み上げる前に、怜奈はナツメにしがみつく。

ナツメ「く、苦し…！それに急に…出てこないで」


ナツメはウィスパーとミッチーをビシッと指差す。

ウィスパー「だって、顔が真っ二つに裂けてるなんて、めちゃくちゃ怖いじゃないですか！」


アキノリ「てか、怜奈！首絞まってる絞まってる！」


腕を絡めた位置が、ちょうどナツメの首辺りだったので、ナツメは息苦しそうに怜奈の肩をポンポンと
叩く。

怜奈「ご、ごめんなさい！！」


トウマ「怖いんだったら、今回は事務所で待ってる？」


トウマは心配そうに、話しかけるが怜奈は首を横に振る。


怜奈「…い、嫌だ。どんな状況でも…ひとりぼっちは嫌なの。小さい頃は、自分の存在すらあったかどうかわからないくらいの気分だったから」



トウマ「…！」


怜奈の言葉に昔の自分と重ね合わせたのか、トウマは少し目を開く。



怜奈「…トウマくん、どうかした？」



トウマ「あ…いや、なんでもないよ」


トウマの言動に首をかしげるも、怜奈は再びパソコンに目を向けた。


ナツメ「へー。キレイって聞かれて〈キレイです〉って言わないと、食べられちゃうんだって」


怜奈「た、食べられる！！？」


ナツメ「うん。あとは、〈ポマード〉と3回言うと逃げられるとか」


ジータン「ポマード！ポマード、何？うまい？」


ポマードという意味を知らないジータンは、興味津々でナツメの元に寄ってくる。


ナツメ「うまくはないんじゃないかなぁ？」

怜奈「あ、でもこれは美味しいんじゃないかな？」

(
貴方)はパソコンを指差しながら、ジータンに
話しかける。


怜奈「顔さけ女の好きなべっこう飴をあげると、
その隙に逃げられるって」


ジータン「べっこう飴！怜奈、それ、うまい！？」

怜奈「ん〜、べっこう飴っていうのはね…

ガララ


怜奈「…あ、ケースケくん。こんにちは」


しかしケースケは挙動不審な態度で、周りをキョロキョロと見回す。

ナツメ「あ、ケースケ。その手に持ってるのって」


ケースケの手にはべっこう飴。そして、まだ挙動不審な態度をとっている。



怜奈「…怖いんだね」

63話→←61話「顔さけ女」

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