293話 新たなる脅威 ページ34
*
怪奇案件も無事に解決し、ナツメ達は帰路に着く為に町を歩いていた。
空は夕日に染まり、ビルの窓や街路樹の葉が茜色に照らされる。
アキノリ「それにしても、気になるな」
突然呟いた言葉にナツメ達は反応した。
ナツメ「気になるって何が?」
アキノリ「ほら、サタンクロースを倒した時さ、なんか黒っぽいものが体から出ていったろ?」
サタンクロースの体にまとわりついていたものが、彼を暴走させるきっかけとなったのではないかと推測した。
アキノリ「まるでサタンクロースに取り憑いてたみたいだったけど……
?「それこそが新たなる脅威だ」
突然頭上から聞こえてきた声に妖怪探偵団は一斉に声のする方を向いた。
アキノリ「カイラ様!」
そこには現在エンマに代わって妖魔界を束ねている蛇王カイラの姿があった。
怜奈「えっと…脅威ってどういうことなの?」
するとカイラは我々に向かって喋り出した。
カイラ「今この町に広がりつつある脅威、それは人や妖怪の心の闇に漬け込むウィルスのような存在だ」
アキノリ「ウィルス?」
サタンクロースに取り付いていた黒いものこそが彼を暴走させた発端であり、それこそがウィルスだと言う。
カイラ「人や妖怪の心に眠る後悔や恨みを増幅させるものだと思われる」
ナツメ「きっと、そのせいで爺たんも悪いことをしてたんだ…」
後悔や恨みを糧とし現れる謎のウィルス。
この町に浸食し始めているということをカイラはいち早く察知したようだ。
カイラ「私はこのウイルスを、はるか昔より存在すると言われている妖怪、“空亡”が関係していると見ている」
ナツメ「空亡…」
アキノリ「言ってみればあのウイルスは、空亡ウィルスってわけか」
カイラ「とにかく警戒が必要だ。
お前達に狙いを定める日も、いずれ来るやもしれん」
そう言いながらカイラはチラリと怜奈の方を見た。
何か言いたそうな表情を浮かべている彼に気づいたのか怜奈はナツメ達に向かって喋った。
怜奈「……ナツメちゃん達は先に帰ってて」
ナツメ「えっ、でも…
怜奈「大丈夫大丈夫。
ちょっとカイラと話したら私も帰るから」
そう言いながら怜奈はナツメの背中をグイグイと押して帰らせた。
ナツメ「…じゃあ、また明日」
アヤメ「バイバイ、怜奈ちゃん」
怜奈「うん、バイバイ」
手を振りながら怜奈はナツメ達を見送った。
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れいな(プロフ) - ミアさん» リクエストいただきありがとうございます^_^今後の展開とともに検討してみたいと思います。夢主がカイラを好きになったという展開があれば2人の関係が進展してるみたいでいいですよね^_^皆さまにとって良い作品になるように考えさせていただきますね^_^ (2019年2月19日 23時) (レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 続き。それにカイラとの婚儀のことも気になります! (2019年2月15日 12時) (レス) id: cce959435c (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 続編楽しみにしてます!そこで提案があります、『怨みのバレンタイン』で日頃の感謝を込めて蛇王カイラにチョコを作って贈るっていうのはどうですか? (2019年2月15日 1時) (レス) id: 6222c85396 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - はい!これからも楽しみにしてます! (2019年2月10日 18時) (レス) id: c20dfe3b9e (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - ミアさん» お話は大体まとめて更新することが多いので、時間はかかりますがお待ちいただくとありがたいです。これからもよろしくお願いします^_^ (2019年2月10日 13時) (レス) id: 671d3c390e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れいな | 作成日時:2019年1月7日 21時