転校してきた山神の妹 (ページ9)

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9話～部室～ページ9

『お疲れ様でしたー』

もうすっかり暗くなった頃

部活が終わりあと片付けを済ませて

帰る支度をしていると

鞄を肩に担いだ鳴子くんが傍にやってきた

「Aチャン先輩！一緒に帰りまへんか？」

『あぁうん！いいよー』

「お？なんだ鳴子、Aのこと狙ってんのか？」

「ちゃいますー！！家が隣やからですー！」

「Aさん、コイツはやめといたほうがいいですよ。」

「変なこと言うなやスカシー！！」

ツッコミが早い…

さすが関西人だな

『あ、でも私歩きだから鳴子くん一人で帰った方が早いと思うよ？』

鳴子くんはロードで来てるけど

私ママチャリすら持ってないから

結構遠いけど歩きで来てるんだよね

「今日は押して帰るんで気にせんとってくださいー」

「ガハハ！今日の練習で疲れたのか」

「ちゃいます！気分や気分！」

「なんだ、てっきり外はもう暗いからAさんがしんぱi」

「どぅわぁぁぁああ！！だまれスカシ！！」

そっか。

歩きだと家に着く頃には

外が真っ暗になっちゃうから

私のことを気遣って

一緒に帰ろうとしてくれたのか…

『ありがとう鳴子くん。優しいんだね！』

「…っ！」

「な、鳴子くん顔真っ赤だよ？大丈夫？」

「照れてるんショ」

「だぁぁああぁあぁちゃうわぁぁああ！！」

かわいいなー

1年生って

きっと向こうの1年もかわいいんだろうな

今度行ってみよっかな……

……お兄ちゃんがいない時に。