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ギョウザひとつで居座ってみれば

13時半を過ぎようともすると
さすがに騒めきも薄れて





テーブルやイスを拭いたりしながら

お店はもう片付けモード







布巾を手に紫耀くんが出てくれば
岸くんへと視線を寄せて







「えーっと、また俺?」



「お願いします」

「お願いします」








志保さんと頷いてみせるから

隣のテーブルへと来たところで
呼び止めにかかる岸くんの声






伸びる背筋が

ちょっとぎこちない








「あの、ちょっと……いいっすか」


「はーい?」


「今日の夜って、なんか予定あります?」


「や、特には」








すぐに口を開いた紫耀くんは
出した腕に布巾を掛けて







「昼番だから、4時で上がりなんで」







あと2時間?と後ろを向いて
奥にある時計を見るから

髪が擦れて覗く首筋









晒される肌に釘付けられて

瞬けないから敵わない









じゃあ、と声を掛けた岸くんは
大きくひとつ息を吸って







「一緒にメシ食いに行きません?」


「へ?」







紫耀くんの丸く開いた瞳に

付け足す上手い言葉を探して
岸くんの手が宙を回す








とりあえず

頑張れ、岸くん








「3人だと人数半端だし……その、バランス悪いっつーか?」








やっと引っ張り出された言葉に
パチリ瞬く紫耀くんが

岸くんと志保さんを見たあとで
私の目をその瞳に映すと



隣の空席を見つけて








「たしかに、ちょっとバランス悪いみたいやな」








私に向かい肩をすくめるから
昇る熱に顔を背ける









こんなの、ナンパだ



逆ナンだ








どうしてくれよう、と岸くんを見ても
こっちを向く気配すらなく


そのまま志保さんに目を移すと
ヒョイと眉を上げておどけ顔









逃げ場なく 熱はつのるだけ









行く当てもなしに泳いだ視線は

浮き上がると引き寄せられて









「ええよ、行ったげる」








捕らえた視線を受けた瞳は

瞬いてふわりと緩んだ

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ふとん(プロフ) - はるかさん» はるかさん、ありがとうございます!ようやく折り返しと言えるところまできました…最後まで頑張りますので、お付き合いいただければ幸いです! (2017年9月21日 23時) (レス) id: 1df4f5ed05 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - ここにきてこんなに切ない展開ってさすがです…続きがすごく気になります!! (2017年9月20日 2時) (レス) id: 66715550c8 (このIDを非表示/違反報告)
ふとん(プロフ) - つかささん» つかささん、ありがとうございます!最後まで自分の思い描いた世界を表現できるよう頑張りますので、これからもよろしくお願いします。 (2017年8月31日 9時) (レス) id: 1df4f5ed05 (このIDを非表示/違反報告)
つかさ(プロフ) - この作品を読んでいるとすごく不思議な感覚になります。更新楽しみにしてます。 (2017年8月28日 10時) (レス) id: ad87999c23 (このIDを非表示/違反報告)
りこ - 紫耀ちゃんが、いつ出てくるか楽しみです! (2016年12月19日 8時) (レス) id: a7ce410caa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふとん | 作成日時:2016年12月18日 21時

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