明日も君と、恋をしよう

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「優太はさ、その紫耀くんと仲良かったの？」


「まぁ？ウチに泊まりに来たりもしたし」


「へぇ、すごい仲良いね」


「でも大学入ってから会ってねぇなー」


「Aちゃんは？どんな感じだったの？」








向けられたふたりぶんの目に
えっと、とつい口籠もって







「1日ずっと、2人で洗い物して……」








ご飯を食べに行ったことは

話してもいいものだろうか









後ろめたく感じるのは



きっと









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下心に、気づいたせいだ









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紫耀くんの差し出した声は


断ろうと思えば断れたし
別にしつこかったわけでもない









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誤魔化そうと

していただけで









気づかずに

いたかっただけで









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流される、フリをしただけ









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「あ、紫耀」





「え？どの人？」


「えっと、今カウンターんとこにいるやつ」


「あれ……もしかして、ギョウザ持ってる？」


「……かも」








こっちに向かってきそうな気配に
乗り出した顔が集まって








「え、どーする？」


「優太、もっかい頑張れる？」


「いやムリだって、心折れそう」


「そう言わずにさ」


「意外とさっきのダメージがデカい」


「いけるいける」


「頑張れ、岸くん」





「お待たせしました〜」








割り入る声に姿勢を戻して
志保さんとふたり岸くんを見れば


いくの？マジで？、と口だけ動くから
コクコクとふたりで頷く








「あのぉ、……お兄さん」


「はーい？」


「紫耀、って名前だったりします？」


「おー、よく分かりますね！」






「あのさ、」









ひと呼吸置いた岸くんが









「俺のこと、覚えてる？」









うかがうように見上げるから







「んー？」








惹き上げられてしまう私の眼が
紫耀くんの瞳を捕らえて









ほんの


一瞬







ぶつかるのに









「ん、どうやろ」









ひと言だけ浮かべた唇は
その端をふわり引き上げて



気づけば背になる彼の姿は

ふたつ隣のテーブルへ









「はっあぁぁ、もうムリ。立ち直れねぇ」


「優太ごめんねー、お疲れ様ー」









浅くテーブルに突っ伏す岸くんに
ポンと志保さんが手を置いて

大人しく撫でられてる姿は
なんかスネたワンコみたいだ

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