明日も君と、恋をしよう【after】

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「しょおー、」

「んー？」

「岸くん来てるー」






マジ？、なんてつい上げた目に
つられた掌が止まって






「マジマジ。ホール交代する？」

「いいの？」

「うん。てかね、じゃないと俺の声枯れちゃう」






みず〜、みずみずおみず〜、って
変な歌にフラつきながら

海人が冷蔵庫を開ける






「じゃあ頼むわ」

「ん、はいはーい」






どこまで終わらしたっけ、って

とりあえず考えてはみても
大して思い出せないけど







ま、いっか


海人なら大丈夫だろうし








「あ、そこ出てんの解凍しといて」

「らじゃ！あ。ねね、このパンって切り終わってんの？」

「ん？あー、そそ。仕舞うん忘れてたわ」

「おっけー、んじゃしまっとく」







よろしく、ってヒラリ振る手に
立てた親指が返されて

ホールに出て走らせた視線







「お、交代？」

「はい、海人が奥入りました」

「了解、じゃあこれよろしくー」







並んだ出来たてのパスタに
持ってく先をチェックしてみれば

岸くんのとこのテーブルで




こりゃいいやって持ったトレーに
ちょっと足音を忍ばせて







「やっほ」






近づいた肩に手を乗っければ
うおっ、って向くのは開ききった眼






「ビビったぁ〜」






そのまま岸くんが仰け反るから






「志保さんこんにちはー」

「こんにちはー」






おかげで置きやすくなるテーブルに
ランチセットを並べてく






「あのさ、おどかしといて無視はなくね？」

「別に無視はしてなくない？」






はい、って渡すアイスティーに

やれやれなんてカオの岸くんは
やけにあっさり立ち直って






「紫耀さぁ、今日何時まで？」

「えーっとね、ラストまで」

「そのあとのご予定は？」

「特にないけど」






おぉ！、なんて乗り出した身に
ニカリ唇が開かれるから






「じゃあメシいかね？」






つられてつい緩む口元






「いいけど」

「おっしゃ、」

「あれ、でもおふたりさんのデートは？」






あぁ、って漏らした志保さんが
岸くんと眼を細めあって

ふたりそろって肩をすくめては






「今日ね、私、Aちゃんとご飯なの」

「だから夕方には解散ってワケ」






おんなじ視線を投げてくる

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