明日も君と、恋をしよう【after】

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こんばんは、って出す顔に
緩んだその眼がくすぐったくて

簡単に晴れてっちゃうから






「いらっしゃい」

「ん、お邪魔します」






単純だよなぁ、ってニヤけかけて

誤魔化しに落とした視線を
そのまま靴まで走らせる






「ご飯食べた？」

「うん、食べてきた」

「そっか」






お疲れ様、って
ふにゃり言われたら

こっちは浮ついちゃうわけで






「バイト先のさ、」






ひとつ区切りを置いた息に
その眼が俺の声を待って






「友達と、食べてきた」






覗き込んだままの瞳は
ぱちぱち瞬いて線を描く






「ふふ、そうなんだ」

「まぁファミレスでだけどね」

「でも紫耀くん、すごい嬉しそう」






え？、なんて声の間抜けさに
その肩はふるり揺れるけど








「大事な友達なんだね」








向けられる目は

柔らかいまま





俺を映して

ちょっと滲むから









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……ダメだって、そんなカオしちゃ









.









「わっ、」

「ごめん。限界、」







包んで覆った体温が
どくり鼓動を跳ねさせて

堪らなさに腕を締めれば
背中へと回される熱









あったかくて

柔らかくって









確かめられる存在に

欲張る鼻先を肩に埋めながら







首に触れちゃいそうな唇は




呼吸ごと

ぜんぶ噛み締める








ぐちゃぐちゃになった溜め息は
体温に溶けてっちゃうのに

吐き切れやしない愛しさに
加減できずに強まる手のひら









「Aちゃん、」









ん？、ってなんとか返る声が
押し潰されてることなんて

頭ではちゃんと分かるけど




だからって離せやしない腕は

お構いなしに縋ったまま
足りない温度を仕舞い込む









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いっぱいに吸い込んだ息で

喉を奥まで膨らませて






ちょっとずつ

吐いては薄まってく揺らぎ









.









閉じ込めてた腕を緩めて
埋めてた顔を持ち上げれば

まだドクリ打ちつける胸元を
収まってた肩が抜け出て








じわり上げられる睫毛に
ゆっくり瞳が絡むけど

すぐ逸らされて落ちちゃうから




触れたその髪を梳きながら

撫で付けて耳の熱を晒す







「ごめん、いきなり」

「ううん」

「ね、こっちみて？」







やっと合わせてもらえた眼は

その下の頬っぺたを染めて
口元を縮ませてるから



堪んなくて引き下がる目尻を
瞳に映したAちゃんは





唇に、

ふわり三日月を描く

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