明日も君と、恋をしよう【after】

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「寝る？」

「えぇー、もう寝んの？」






その耳に頬っぺたを寄せてから

熱を仕込んでみた瞳を
覗かせてみたはいいものの






「ふぁ、」

「ほら。またあくびした」

「え、バレてた？」






ふふ、って髪が落ちるから
掬って耳に掛けてみれば

チラリ振り向いた瞳で
飲む息に打ち付ける鼓動







「近いもん、分かっちゃうよ」

「ちゃんとこっそりしてたのに」






ね、布団出そ？、なんて

宥める眼に振り返られちゃったら
聞かないわけにはいかなくて





絡めてた腕が解ければ

ふわりそこから熱が抜ける







「あれ、しまうとこ変えたん？」

「ん？あー、うん。こっちのが出しやすいかなって」






取り出す布団を敷いちゃえば
床はいっぱいいっぱいで

向かい合わせに座り込んだら
ふたり引いては張らせるシーツ







「なぁ、」

「んー？」

「ほんとに寝んの？」






だめ？、なんて傾げられたら
そりゃダメなんて言えないから

ほんともう、ズルいと思う






「まだ寝たくない」

「でも眠いでしょ？」

「眠く、……ふぁ、……ない」







タイミングの悪いあくびに
上がったその口元は楽しげで

見つめてくるのは細めた眼






「そういうとこ、……うん。いいと思う」

「え、なにそのビミョーな間」

「え？なんでもないなんでもない」

「えぇー？」

「深い意味はないって、」






ふぅん、って尖る唇で
じっとり眼を擦り付ければ

困り眉に押し下がった瞳が
逃げかけてはウロついて







「俺のそういうとこ、どう思ってんの？」







ちょっと口元を縮めたあとで
ぱちり飛んできた視線は







「紫耀くんのそういうとこね、」







ひとつ置いて吸い込む息で






柔さを、

瞼に滲ませて








「好きだなぁって。思ってるよ」







その声にくすぐられるから


誤魔化しにもなんない瞬きが
揺らしにかかってくる睫毛








「そ？」

「うん、そう」

「ん、……そっか」









やっと、じわり染みついたら

ようやく頭も追いついて







波の消えたシーツの上に
目で引き合ってた水平線が

ふにゃり緩んじゃって落っこちる

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