ふたつのいと 3

3-30 加湿器と、乾燥 ページ30

3-30 加湿器と、乾燥






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家に着き、隆二さんの大量の荷物を解く。







『隆二さん、これ、要ります？』







｢本格的な家出には必要かな？｣






シャンプーとコンディショナーを両手に。







『……これは？』








｢ミニ加湿器？｣






『ミニってほど、ミニでもないですけど……』






大きなキャリーの半分を占めていた。








『……あの、うちにも加湿器、ありますよ？』








｢え？！そうなの？！｣






『寝室、加湿器付けっぱなしだし……リビングのこれ、加湿器なんですよ？』








｢……この紙が？！｣






『下に水張っててその紙が下の水を吸って加湿してくれるんです』








｢へぇ、ただの紙だと思ってた。｣






『そんなに乾燥してます？うち…』






｢言われてみれば喉イガイガしないかも｣







プクッと、頬を膨らませて笑う隆二さん。









｢あ！夜ご飯、食べた？｣








『あぁ、食べようと思って食べ損ねたホットサンド、持って帰ってきてるんです。』






ミニトートから出した、冷えたホットサンド。







｢……冷えたらただのサンドウィッチだよね。｣







『そう、ですね』








｢温めても美味いの？｣






『どうでしょう……フライパンで温めたらカリッとはしそうですけど、中まで温めれるか……』






｢よし！俺がやったげる｣







『え？！で、出来ます？』







｢温めるだけでしょ？Aは俺の荷物出してて｣






『はい……』






キッチンへ隆二さんは、冷えたホットサンドを持って行き、フライパンで温める準備を。







私は怖くて服をボストンバッグから出しながらもチラチラとキッチンに目をやる。

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