44 Y side ページ44
静さんの家に行ったら、さっきまで考えてた初恋の人と、小さな天使を抱っこしてる、愛しい人。
その顔は、小さな天使に負けないくらい満面の笑顔で、幸せそうに天使を見つめていた。
この笑顔をずっと守っていきたい、そう思ったんだ。
Aが、何かに悩んでるのは分かっても、どうすることもできなくて、モヤモヤしてた。
俺に話せない話のひとつやふたつあると思うんだ。
だけど、Aの苦しい顔は見たくない。
悩みを分けてくれる?
これからも、ずっと…
「A………ちょっと話があるんだけど……」
俺は、部屋に入ったばっかのAを呼びとめた。
…は、いいけど面と向かって言うのは恥ずかしくて。
プロポーズ…はちゃんとしたいしなって何考えてるんだ!
そんなことを考えていると、Aが口を開いた。
「あたしも、渉に聞きたい事があるの…」
Aの目は真剣で…まっすぐに俺を見つめた。
聞きたい事??
不安を持ちながら、Aと向き合った。
「あの…渉って…いつからあたしのこと好きになってた?」
真っ赤な顔で言うA
「ごめん、忘れて」と言って離れていくAを抱きしめた。
「…んーとね、お姉ちゃんが言ってたの。【渉くんはずっと、Aちゃんのこと好きだったよって…。勘違いしてるよね?だって、渉、お姉ちゃんのことずっと好きだっ…」
話してる途中で、Aの唇をふさいでた。
なんとなくだけど、不安そうな声に今までのモヤモヤの原因がわかった気がする。
今だってそう。
キスしながら、Aの瞳には涙がうっすら浮かべてた。
俺がいつからAを好きだったかなんて覚えてない。
だって、昔から当たり前のように隣にいたから。
「…っ…」
唇を離すと、俺の胸の中に顔をうずめるA。
「ごめん、こんなの、めんどくさいやつだよね?」
弱弱しくいうAがいつものAじゃなくて…
俺はそっと抱きしめたんだ。
「誰かに言われた?」
胸の中で首を横に振るA。
「Aは、わかりやすいなー、静さんの家に行く前から様子が変だったもん。昔のことなのに…」
「昔のことでも、渉にとっては特別な人でしょ?あたし、ずっと見てきたんだから!」
Aは涙が止まらないまま、そう言ったんだ。
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まこ(プロフ) - ぴろぱにさん» コメントありがとうございます!キミとのキセキも続編で書かせていただきました。少しですが良かったら読んでみてくださいね。 (2019年6月30日 19時) (レス) id: b6caf7e598 (このIDを非表示/違反報告)
ぴろぱに(プロフ) - はじめまして、凄く楽しみにしていました!続きが楽しみです! (2019年6月30日 19時) (レス) id: 68726d2dc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まこ | 作成日時:2016年4月2日 17時